勘違いから始めよう【場地圭介】 (ページ9)

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ところでこれは、一緒に帰る流れなんだろうか

私の中では、見届けてさよならっていう想像をしていたわけなんですが

いや確かにだいぶ仲良くなったよ

軽口叩き合えるくらいにはなったよ

でもまともに話したの今日が初なんだよなーーー

別れるタイミングを掴めずに、下駄箱まで来てしまった

ここで別れるのか

あ、ちがう

帰る方向は…なるほど一緒ですね

さて、一緒に帰ってますねこれは

見た目の割に、そういうのに躊躇がないタイプか

意外すぎる

私の方が慣れてない感じして、なんか癪に障るな

もう考えるのやめよ

「…って、おい聞いてんのかよ」

「あーうん聞いてる。わかるわかる、私も〜」

なんも聞いてないけど

すまん

「じゃあほんとに、いいんだな」

ん？

何、なんのことだ

聞こうと思ったが、あまりにも場地くんが真剣なものだから聞こうにも聞けない

まじでなんだ

でもまあ、いいか

よく分かんないけど了承しておこ

「うん、いいよ」

「そうか。なんか、照れんなあ」

勝手に場地くんは照れている

確かに耳が赤い

やっぱ、場地くん顔整ってるよ

みんな、とんでもない逸材だよ、明日教えるからね

ちゃんと聞けばよかったと後からとても後悔することになるとは知らずに、呑気にそんなことを考えていた