過保護なくくちへいすけくん。

過保護な、５ ページ6

「俺、彼女つくる気はないんだ」
『モテるのにですか？』
「だって付き合うとなれば勉強よりその子の方を大事にしたくなっちゃうだろ？」


確かにさっき断るときにそう言っていたな。
本当なんだ。


「それよりAにお願いがあるんだけど‥･･･」

話の流れを変えたいのかな。
これ以上無理には聞かないけど。

「買い物に付き合ってほしいんだ！」


昨日「明日開けといて」と言ってたのはこのことか。
先輩の事だからとぅうふ関係かな？

「その、俺じゃ良いもの選べそうにないからさ」


照れくさそうに笑うのは反則すぎまっせ。

･･････でもどうやらとぅうふ関係ではなさそう。

『勿論です、いつもお世話(一方的)になってますし。ぜひご一緒させてください』

とん、と胸を叩くと久々知先輩は「ありがとう！」とまた笑った。
全く女子である私を悔し泣きさせたいのですかこんちくしょうどっこいしょ可愛らしいんですよ。

『今からでも大丈夫ですよ、行きましょう』
「うん！･････････」
『･･････？』

「え？」
『え？』


その差し出された手は一体。


「はい」


それはつまり。

手を繋げと･･････？


さっきの現場を見てしまった私には複雑すぎる。
いや別にそんな気持ちなわけじゃないけど。

手を繋いだりなんかしたら恋仲に見えちゃうでしょしょ。


「兄妹に見えたりなんかするのかな」
『えッ、あ。兄妹･･････確かにですね』

「どうかした？」


なんでちょっとがっかりしてるんだろ。

「今日は冷えるから、寒くなったらいつでも言って」
『はい･･････』

「無理言って来てもらってるんだし、何か奢るぞ」


たまに変態チックで過保護すぎてちょっとアレなのにやっぱり優しいんだ。


　

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