百鬼夜行-10 ページ35
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なに、ここ。
また夢?
「オマエ、まだ俺に会いに来るなつったろ」
え……この声、
「ったく、世話の焼ける女だな」
『……とーじ、さん…』
ぎゅっ
『会いたかった、ずっと。
ずっと、会いたかった!!
なんで何も言わず行っちゃったの!
どうして何も教えてくれなかったの!
あたし、とーじさんと一緒だったらどこへでも…!
………行った、のに。』
「オイ、泣きじゃくるんじゃねェ。……はぁ」
とん、とん、
『ゔっ……ひぐっ………』
「……ココも時間がねぇな、簡潔に言う。
いいか、集中して聞け。
最後の呪力を振り絞って反転術式をしろ。
A、オマエはまだ死ぬべきじゃない。」
『やだよ、あたし、とーじさんと一緒にいたい。ここで、ずっと!』
「ダメだ、Aにはまだやるべき事があるだろ」
『ないよ、とーじさんがいれば、あなたがいればそれで、』
「いーや、あるね。
オマエは五条悟をも超える術師になれる。まだテメェの術式の半分も生かせてねぇよ。
もっと強くなってから、俺に会いに来い。
俺は此処で待ってる。」
『……また、会えるの?』
「いや会いに来るなよ」ククッ
…ふふ、とーじさんらしい返しだな。
『……夢だって、笑わないでよね。』
「はっ、だとしても正夢だろ。
ホラ、振り返って真っ直ぐ北に走れ。反転術式に全神経を集中させろ。」
『……じゃあ、またね。』
「だから会いに来るなって……((『とーじさん、』
あ゛?」
『最期にもう一回、あたしのこと抱きしめてよ。』
「…ほんと、めんどくせぇヤツ。」
ぎゅうっ
…………。
チュッ
『……だいすきっ!』
タタタッ
「ほんと、昔から世話が焼けるな
あー、反転術式したら呪力無くなるか?
………しょうがねぇヤツ。」
とーじさんが望むなら、私は何者にだってなれるよ。
溢れそうな思いは、この涙は…
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てん(プロフ) - すけさん» コメントありがとうございます!!とても素敵な感想を頂いて思わずスクショしてしまいました…今後も期待に応えられるよう頑張りますので引き続き読んでいただけたら幸いです!! (12月22日 14時) (レス) id: aa0c81460a (このIDを非表示/違反報告)
すけ - 初めまして!普段コメントしないのですが主様の描くストーリがあまりにも素敵すぎて…というか文才能力が天才すぎるというか、毎話楽しませて頂いております!そしてイラストも凄く好みでお上手ですのでこれからも楽しみにしてます! (12月21日 22時) (レス) id: 6140921743 (このIDを非表示/違反報告)
てん(プロフ) - 星雀さん» ありがとうございます(><)本当に自信が無いので褒めて頂いて嬉しいです…もっと練習します💪🏻 (11月14日 23時) (レス) id: aa0c81460a (このIDを非表示/違反報告)
星雀(プロフ) - 絵めっちゃ上手ですよー!自信持ってください! (11月7日 21時) (レス) @page47 id: cb3ce32ba5 (このIDを非表示/違反報告)
てん(プロフ) - らびおりさん» わー!!コメントありがとうございます🤍他の誰でもない呪言師の棘くんだからこそ、よりもどかしさを感じていただけたと思います…徐々に恋愛要素も入れこみますので今後もドキドキしてもらえたら嬉しいです! (10月28日 3時) (レス) @page18 id: 921adc206a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:てん | 作成日時:2023年10月19日 4時