大食いの野生ちゃん、拾われました【ヒプマイ】

十八匹 ページ19

今日はAを連れて街を歩いている。

貴「りおー、あれなに？」

理鶯「あれは服が売ってる店だ。」

貴「あれは？」

と、さっきから街のあれこれを指さして聞いてくるA。

きっとAは知ってはいるが実物を見た事は無いのだろうな。

キラキラ、キョロキョロ、楽しそうなAに小官の口元も緩む。

理鶯「そうだA、銃兎に美味しい料理店を教えて貰った。行くか？」

貴「ﾊﾟｧｯ)いく！たのしみらね!」

理鶯「あぁ(ﾆｺｯ」

貴「ふへへ………！(ﾀﾞｯ」

理鶯「!?Aｯ!!」

急に小官の元を離れて路地裏に入り込むA。

その小さい背中を追っていく。それにしても早いな。

きっといい軍人にAは成れるな。素質がある←

立ち止まったAにようやく追いつくと

貴「ｸﾝｸﾝｯ)にゃぁ。」

仔猫「ﾆｨ､ﾆｨ､……ﾆｨ､ﾆｨ」

弱っている子猫。近くに母猫の姿はなく、多分、置いていかれたのだろう。

理鶯「A、その子猫は病院に連れて行こう。」

貴「ん、わあった。!だれか、いる。」

Aにバレたからなのか、ゾロゾロと知らない者達が出て来た。

そっと小官の背にAと子猫が隠れるように前に出る。

敵「よォ、お前、理鶯だろ？M．T．Cの。」

理鶯「あぁ、そうだが。」

敵「俺達はお前のマイクが欲しい。大人しく渡せ、じゃねぇと(ｷｭｨｨｲｲｲﾝｯ」

敵「痛い目見るぜ？ww」

マイクの独特の起動音と曲が鳴る。敵はざっと50人ほど。

理鶯「A、物陰に隠れてくれ。小官がコイツらを倒すまで(ｷｭｨｨｲｲｲﾝｯ」

貴「わあった！(ﾄﾀﾄﾀ」

物陰に隠れたAを確認してからラップバトルを始める。

だが。相手の違法マイクはどうやら小官のリリックを

吸収して自分のを上乗せして返すような代物らしく

なかなかに苦戦を強いられている。

理鶯「ｯクｯ!(ｶﾞｸｯ」

敵「おら、素直に渡しちまいなよ、3番手!!」

貴「り、おー(ｷｭｯ｣

仔猫「ﾆｨ､ﾆｨｰ。」

子猫を抱き締めながら心配そうにこちらに声をかけるA。

理鶯「大丈夫だ、A。直ぐにおわらせる(ﾆｺｯ」

敵「あぁ、終わりだ。」

相手の不意打ちのリリックをくらい、血が出て意識が朦朧とする。

貴「ﾋｭｯ………理鶯ｯ!!!!」

理鶯「A、く、るな、ｯ!」

貴「りおー、血、あ、ｯ!!おまえらｯコロスｯ!!!!(ﾀﾞｯ」

駆け寄ってくるAに制止をかけるが、小官の血を見るなり

虚ろになった目で敵を捉えて襲いかかるA。

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