第十二話 I can not understand ページ12
見えた、ンドゥールだ。奴はもうオレ達に気付いている。
「……さあ、ピッチャー振りかぶって、投げるッ！」
「クゥウンッ？！」
あと数キロとあったが、犬を思いっきり投げて相手に当たる自信はあった。
「…な、なんだあの女ッ！なにか、なにか物を投げたぞッ！」
お互いに防御でもしてないと、ぶつかってしまうからな。
「クソッ！」
ンドゥールの水と、イギーの砂がお互いを守るように防御する。
「…な、なんて女だ……犬を投げるとはな。…杖を…ッ。」
「ほらよ、杖ならここだぜ…ンドゥール。」
探っていた手が、ピタリと止まった。
「…………成る程な、音がすれば一つの方にしか集中が出来ないと分かっていたからか。」
「改めて紹介させて貰うぜ、岩埼(人1)だ。…ンドゥール、エジプト9栄神の一人…ゲブ神のスタンドか。」
ンドゥールは静かにオレから杖を取ると、そっと手から離した。
「……この杖は、帰りに必要だ。」
ゆっくりと、砂漠の大地に落ちていく杖。
まるで先ほどの
オレの蹴りと、ンドゥールのスタンドがすれ違う。
蹴りは見事ンドゥールの腹へと命中。ンドゥールのスタンドは先ほど傷つけられた左目ギリギリを通過。
「ガハッ！！」
口から、少しだけ血が吹き出た。
「…ンドゥール、オレは思い切り蹴ったつもりだったが、勢いついてない余りにそんだけしか力が出なかった。」
「……フフ。」
ンドゥールは少しニヤリと笑うと、スタンドで脳天…の、あたりを突き刺した。
「！！……ンドゥール…テメェ。」
第十三話 Death of man→←第十一話 Phantasmagoria
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