時計の針に急かされて/sha ページ1
学パロ
毎日毎日同じことの繰り返し。生徒会で会計を任されている私は、誰ががどこかで入れ替わろうと気付くことなく、数字をずっと追い続けている。
両親や先生から期待される優等生、それが私らしい。
そんなことを理由に、同じ会計の子には「Aちゃんなら出来るよね！」って仕事を押し付けられて。毎日時計の針に急かされて生徒会の仕事と勉強。部活動も、放課後遊ぶことも許されなかった。
来年受験生の私は進路の選択を［進学］だよね、と両親に半ば無理矢理強いられて。
……疲れたのだ、何もかも。気がつけば私の心は屑のように真っ黒黒。全てが嫌になった私は夏休みを境に、自分の部屋の中にひきこもった。
両親が毎日扉を叩いて、学校へ登校するように言ってくる。……自分達の付属品だとしか思ってない癖に。
……ｺﾝｺﾝｺﾝ
sha「なぁ、またお前の顔を見たいわ……」
扉の向こうから漏れる微かな声。毎週金曜日、部屋をノックしてくれるのは隣の席のシャオロン君。私の、好きな人。
彼はプリントやノートの写しのコピーを持ってきて、私に一言声をかけて帰っていくのだ。
私の気持ちは心の奥底にしまっておく。だって、シャオロン君も優等生の私を求めてる癖にと諦めてるから。
ある日曜日の朝、何故かシャオロン君が私の部屋をノックした。
「おはよ、A。鍵は開けんくてもここから声は届くから……話聞いてくれへん？あんな、担任のアイツがお前の事を訪ねたいって言ってるんよ」
……そんな話、聞きたくない。嫌だ、聞きたくなかった。
『……下らない、ね』
「……！そうやな、下らんわ。
な、今言うのもおかしいんやけど……。俺お前のことが好きなんよ……お前がおらんと、ホントにつまらんのや……」
気付いてた。心の奥底では、扉を開けてシャオロン君の傍で沢山の話を聞きたいんだって思ってたこと。……でも、怖いから開けることが出来ないんだ。
「部屋を出て、親に文句を言われたら言い返そうぜ。『私はお前らの人生のお飾りじゃない！』ってな！俺も一緒におるから、大丈夫や！」
そう言って、今度は優しくノックをしたシャオロン君。その音を聞いて、私は泣いてしまう。
『私も、好きだよ。…勇気が出たら、ノックの音に合わせて開ける、ね』
「……おう、待ってる！」
時計の針は止まらない。だけど、毎日聞こえる優しいノックの音で私は少し救われているのだ。
NEXT→きさらぎ駅から逃げたい人と教授の話
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しぃりん(プロフ) - イカの化身さん» ありがとうございますー！誤字、直しておきますね………((( (2021年10月25日 11時) (
レス) id: 40e91cb810 (このIDを非表示/違反報告)
イカの化身(プロフ) - あ、あと私ごとなのですが、誤字？らしきものを見つけまして…お時間あればお直しお願いしたいです…！両親や先生から期待される優等生、それが私だらしい。の所です！！！更新、体調崩さず頑張って下さい。 (2021年10月25日 1時) (レス) id: a0117cd36a (このIDを非表示/違反報告)
イカの化身(プロフ) - はじめまして！しぃりんさんのd!この短編集めっちゃ好きです！！！！もうとくにメンバーの口調とかすごい掴んでて'''！！！もう""好きです"" (2021年10月25日 1時) (レス) @page1 id: a0117cd36a (このIDを非表示/違反報告)
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