[文スト]兄、姉達は妹が大好きなようです[短編集]

太宰治 看病されるver. ページ48

、


朝、目を覚ました時から身体がだるくて熱っぽかった


「…このくらい平気かな」


そう思って仕事へ行く支度をすることにした

ーーー
太宰side


「おはよう、A」

「あ…おはよう、朝ごはん作るね」


朝、Aが部屋に出てきたとき、どこかぼーっとしていて様子がいつもと違った

仕事にいっても、珍しくミスをしてどこか落ち込んでいる


「A！落ち込まないの、誰だってミスの一つや二つあるものさ」

「兄さん……でも今回のミスは気をつけてればしなかったやつだし、」


目を伏せたAのおでこに手を当てる


「やはりね、A、朝から体調が優れなかっただろ？何で言わなかったの、熱高いよ」

「大丈夫、こんなの…まだ仕事できるから…」


座っているAを立たせて、医務室まで連れ込んだ
体温計をセットして、熱を測った


「げっ、高熱じゃないか」

「…平気、だもん…」


その日は、許可を貰ってAと家に帰ることにした


「Aは寝ていて、何か食べ物を買ってくるよ」

「…やだ、」

「ん？」


Aが外套の裾を掴んで私を引き留めた


「一緒にいて……」

「…まったく、こんな可愛い妹の可愛いお願いを聞かないわけにはいかないね」


私の作ったお粥を食べさせ、薬を飲ませる

本当ならスポーツドリンクを飲ませてあげたいけど買いにいけないので冷たい水を渡した


「ほら、もう寝て」

「…兄さん、いなくならない…？」

「もちろんだよ、なんならAが眠るまで手を握っていようか？」


ん、とAが布団から手を出して私の手を握った
可愛いなぁ、と思って頭を撫でるとAは目を閉じた


「ふふっ、おやすみ…」



私の可愛い妹、早く元気になってね

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