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桃side
北「......慎太郎?ねぇ...おーい」
後ろから、北斗の不安気な声が聞こえてきた。
呼びかけられている本人からは、何も反応はない。
少し前に、慎太郎がさ...
「ちょっと、休憩しようっと」
なんて言って、目を閉じた。
少し、疲れてるっぽかったし休ませようと思って。
誰も止めなかったんだ。
でも、そこから全く起きる様子がなくて、北斗が声をかけることにしたみたい。
北「ちょっと!!慎太郎?ねえ、大丈夫っ!?」
北斗の声が上ずって、焦りが見え始めてピキっとさっきまでの、のほほんとした午後の雰囲気が凍った。
ジェ「北斗、１回落ち着いて....しんたろー?目あけられる?」
ジェシーが、北斗に変わって声をかけるけどジェシーの声も震えていて。
嫌な予感が、確信に近づいていく。
大「慎太郎....注射、打ってるよ..ね...?」
高地がダッシュで部屋を飛び出して行くのが分かって。
北斗は、崩れ落ちそうになって樹が支えている。
ジェ「おいっ!!!慎太郎!反応しろっ!!」
滅多に聞かないジェシーの怒鳴り声。
俺も、慎太郎を揺すって必死に声をかける。
慎「......ぇ...は...」
大「慎太郎っ!!...ちょっと!」
目は開いていると言っていいのかどうか...。
意識朦朧とした感じで、呂律も上手く回っていない。
ジェ「きゅ、救急車!!救急車」
ジェシーが悲鳴のような声で、救急車を要求して。
北「慎太郎...しんたろ....」
樹「おいっ!しっかりしろっ、北斗」
北斗は、慎太郎の名前を何度も呟いて....
あの時のことを思い出しているみたいだった。
高「注射あった!」
息を切らしてやってきた高地の手には、昼と書かれた袋に入っているインスリン注射があった。
せっせと、慎太郎の服をめくって注射の準備をし始めて。
大「高地っ、出来んの!?」
高「そんなん分かんねぇよっ!!ただ、やるしかないんだよ」
そういって、躊躇いなく慎太郎に注射を打つ。
高「おーい...慎太郎?もうすぐ救急車くるからなぁ。頑張れよ」
そういって聞こえているのか分からない慎太郎に、
高地はいつものような落ち着いた声をかけ続けている。
しばらくして、救急車が着いたけどその時には慎太郎の目は完全に閉じられていた。
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みかん(プロフ) - 嶺音 蒼空Inn?cenceさん» コメントありがとうございます。私のペースとなりますが、お待ちいただけると嬉しいです!ぜひ、今後もよろしくお願いします。 (2020年9月26日 19時) (
レス) id: 89ba736677 (このIDを非表示/違反報告)
嶺音 蒼空Inn?cence(プロフ) - いつも楽しく読んでます！私は病気系の物が好きで探し回っていたところをこのお話に辿り着きました！これからも面白いお話が出るのを楽しみにしてます！がんばってください！ (2020年9月26日 12時) (レス) id: 316022cad2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みかん
| 作成日時：2020年9月25日 22時
