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「で。
こんな所で何してるんです?Aさん。」
「いや…これにはちょっとワケがあって…」
オリエンテーションと施設案内を終え、時刻は正午。
皆がお昼を食べている間に、一室を借りて跡部から尋問を受けている。
…いや。跡部と、もう一人。
「まさかこんな所で出くわすとはなぁ。」
「侑士も久しぶりだねぇ、アハハ、、」
氷帝の天才、忍足侑士。
この二人との付き合いはなんだかんだ長い。
跡部とは跡部家主催のパーティーで、侑士とは親の学会で出会った。
彼らとは家族ぐるみの付き合いなのだ。
「今回は何の実験ですか。」
「いやぁ、分かんないんだよね私も!」
「そんなてへぺろみたいなノリで来られても困るわぁ…」
こいつらがテニスをしていたことはよく知っていたが、まさか氷帝にいたとはとんだ把握漏れをしていた。
もうここで出会ってしまったことは仕方がない。口止めが先だ。
「とにかく!!ごめん、私の都合に付き合ってほしい!!
私が実験台になってることも、家のことも絶っっっっ対に黙ってて!!!」
これがばれたら終わり。
親に何されるかわからんってのもそうだけど、せっかく出来た仲間とまた距離が出来てしまうのはもうごめんだ……
土下座する勢い且つ涙目で訴える私を見て、跡部と侑士は困ったように顔を見合わせる。
「フン、しょうがないですね。Aさんの頼みならいくらでも協力しますよ」
「俺もええよ。第一なんか楽しそうやし」
「ありがどううう二人ともォ……」
私つくづく後輩に恵まれてるな…
「そうと決まれば跡部、私にはちゃんとタメ口利いてよね!!」
「はぁ……分かった。慣れねぇが仕方ない……」
「まぁええやん、これでまた仲良くなったって考えようや」
「なんでお前は最初っからタメ口なんだよ…仮にも年上だぞ…」
「ええねん俺は昔っからこれやから…」
「仮にもってなんだ仮にもって!!!!」
大石といい切原といい、最近よく『仮にも先輩』って言われるなあ……そんな頼りないか私????
……いや、頼りがいはないな……むなしくなってきた……
「そういやA、家の方は大丈夫なのか?人科社について色々噂が流れてくるが……」
「そうや、最近跡部心配しとってんで」
人科社とはうちの親が持っている会社のことだ。
特に悪い噂とかは聞いてないけど……
「なんで?別に両親も元気だし特に何もないと思うけど…」
「…そうか。ならいいが。
さ、昼もそろそろ終わりだ。コートに戻るぞ」
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幽霊部員(プロフ) - 全然更新できずすみません……コメントありがとうございます!!!頑張って続きかきます(笑) (2021年1月7日 15時) (レス) id: e1bd195033 (このIDを非表示/違反報告)
財堂若也 - おもしろいですね!な、夏ちゃん??と思いながら見てます!合宿のお話、楽しみにしてます! (2020年12月12日 12時) (レス) id: f43141c8eb (このIDを非表示/違反報告)
平部員(プロフ) - あーちゃんさん» ありがとうございます(´;ω;`)夏ちゃん嫌な奴になりすぎないよう努めます、、、!! (2020年11月5日 1時) (レス) id: e1bd195033 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん - とても面白いです!夏ちゃんいい人のように見えて怖いですね、、、ヒロイン頑張って欲しいです。 (2020年11月4日 10時) (レス) id: a8b7d730eb (このIDを非表示/違反報告)
平部員(プロフ) - 白さん» ありがとうございます、、!!励みになります、更新遅いですが頑張ります(笑) (2020年9月12日 22時) (レス) id: e1bd195033 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:幽霊部員 | 作成日時:2017年4月8日 22時