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そして一週間を迎えた日。




マスクや白衣を着て、全身に消毒をして無菌室へと向かった。









あの日はまるで付き合いはじめた当初のように心臓はどきどきと高鳴って、ものすごく緊張したんだ。















ーコンコン、












失礼します、って扉を開けたあの時。




その先に見えたあなたの姿に……














「……太輔っ、」














私の目からは、ぼろぼろと涙が溢れた。
















「…A」















あなたのその目が



声が



指先が…












私を真っ直ぐに捉えて、その愛おしさに胸がいっぱいだったんだ。













「ふふ、相変わらず泣き虫だな」



「だっ…て…っ、」



「話すの、久しぶりだな」



「ん…、そうだね…」












言葉を交わすことさえもなんだか緊張してしまって、もじもじとする私にあなたはクスクス笑ってたっけ。












「なぁ、いつまでそんなとこに突っ立ってるわけ?」



「…え?だって…、」



「いいから、はやく来て」













それでももじもじと動かない私に、あなたは優しく微笑んで。














「A、おいで?」














ゆっくりと歩み寄る私に伸ばされた、太輔の細い腕。





その手に触れた瞬間、私はあなたに抱き締められたんだ。





あったかくて、柔らかくて、大好きな太輔の匂いに…













私は再び涙を流した。





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yokonana(nanaco)(プロフ) - 今まで読んだ中で1番好きになりました。素敵なお話をありがとうございます(TT)電車で読まずに家で読んで正解でした、大号泣で目真っ赤です(;ω;) (2019年4月7日 22時) (レス) id: da866a5801 (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - 久しぶりにこのお話が読みたくて占ツク開きました。もう何回読んだかわからないくらいこのお話を読んでて何度読んでも大号泣します。とてもステキなお話ありがとうございます (2019年1月5日 4時) (レス) id: e8b45e2616 (このIDを非表示/違反報告)
れーこ ♪(プロフ) - こんなに死を美しく、かつ、生きてるすばらしさを描く作品に出会えたこと、すごく嬉しいです。ララちゃんの虫除けスプレーとか、面白い要素もありつつ、涙なしでは見られないところもあって。これからも頑張ってください!ステキなお話をありがとう!! (2018年2月18日 0時) (レス) id: b4f001e027 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうな(プロフ) - はじめまして!最後まで読ませていただきました。病み系割と好きなのですがこれはダントツで好きです!ほんとにほんとに涙が止まらなくて次の日目が腫れそうです(笑)こんな素敵な作品を書いてくださり本当にありがとうございました!他の作品も読ませてもらいますね! (2017年4月27日 2時) (レス) id: ae8d783771 (このIDを非表示/違反報告)
Mimiko(プロフ) - とても泣けました!これからも頑張ってください! (2016年12月10日 22時) (レス) id: 68caafdc07 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:K | 作成日時:2015年5月6日 20時

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