兵長、好きなので来ないでください。【進撃】 (ページ12)

今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:4,788 hit

１０ページ12

『わぁ……きれい…』

外に出ると、頭の上に星空が目一杯広がっていた。

まわりには灯りが少なかったので、吸い込まれそうなほどの星がたくさん輝いていた。

『こんなにきれいな星空は久しぶりだな……』

最近はずっと訓練やら何やらで忙しかったので、ゆっくりと一人で考え事をする時間なんてなかった。
消灯時間が過ぎていなかったらミカサにも見せてあげたかったなぁ……と思う。

……兵長は………この星空を眺めたりするのだろうか…

『兵長……』

無意識にそう呟いていた。
何故こんなにも兵長に執着してしまうのか、自分でもよく分からなかった。

だから、この声が聞こえてすごく動揺した。

「……呼んだか？」

『！！？……兵長！？』

　

バッと声がした方に振り向くと、呆れたような顔をした兵長が立っていた。

『な、何でここに……』

「お前が今、呼んだんじゃねぇか。」

私は驚きすぎて動くことが出来なかった。
兵長が真顔でそんなことを言うので、冗談として受け取っていいのかさえ分からない。

『そ、そうでしたね……』

「………フッ……」

え、今、笑った………の？

初めて見た兵長の笑う顔は、夜空の星に照らされてすごく綺麗だった。