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Aside
『いやだぁああ！！お母さぁぁぁあん！！！』
「A！！！」
「愛してるわ…よ…」
バキッボキボキッ
たった一人の母親は、
それを最後に巨人の口の中へ消えていってしまった。
お母さん……
お母さん……！！！
『いやぁああああああああ！！！』
やめて………！！！
また……また………私だけ置いていくの…！？
お母さんは…私のたった一人の家族なの…
他のものなら何でもいい。
何も入らないからお母さんだけは…
お願いだから………また…私から
大事な人を奪わないで…
「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”」
口のまわりを赤く染めた巨人が叫ぶ。
そのせいで、“もうお母さんはいない”という
現実をつきつけられた。
私は…
お母さんがいないと……
生きていても、意味がない。
何もかも空っぽになってしまう。
私も………私もそっちに連れてって…
大きな口をあけ、気持ち悪い笑みを浮かべた巨人。
その巨人の手が、ゆっくりと、
こちらに伸びてくる。
そして、体を捕まれる。
もう、逃げることは出来ない…。
ーーごめんなさい、お母さんーー
何もかも諦めていた、そのときだった。
「おい！お前！！！何してやがる！」
誰…？
なんで私を助けようとするの……？
バシュッ
ギュィィイイイン
ザシュッ、ザシュッ
あれは……“自由の翼”…
“自由の翼”はまるで本当の鳥のように、
美しく、速く、鋭く、力強く宙を舞う。
そしてあっという間に巨人を倒してしまった。
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作者名：ハーリカ | 作成日時：2017年9月8日 23時
