12 ページ12
in side
「はぁ…」
クリスマスってもっと楽しい日だと思ってた。
いや、大抵の人は今日という日を満喫してるんだと思う。
だけど俺は違う。
気分はずっと低空飛行。
あの日、大ちゃんに誘いを断られてからずっと…
このまま俺たちの関係って、何も変わらずに終わってしまうのかな。
大ちゃんにもっと近づきたいって思ってるのは、やっぱり俺だけなんだよね。
楽しそうな声が飛び交う中を、肩をすくめながら歩いた。
買い物でもしようかと思って外に出てみたけど、なんだか気分がのらなかった。
俺の気持ちに相反するような軽快な音楽が、俺の心を締め付けた。
こんなことなら、実家にでも帰った方がマシだったな、そう考えていた時だった。
聞き覚えのある大ちゃんの声が耳に届いた。
お店の前で、楽しそうに笑う大ちゃんが目に入った。
そういえば、今日用事があるって言ってたな…
………
大ちゃんの横で笑う彼…
どこかで見たことが……
………
そうか…
大ちゃんの俺に対する態度の理由が分かった気がした。
俺だけが勘違いしてたのかも。
大ちゃんが心から笑えて、心から好きなのはやっぱり彼なんだ。
俺の前に立ちはだかる信号はいつも赤。
俺は立ち止まってばかりだ。
145人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Tea time | 作成日時:2021年10月13日 11時