▼エスコートは彼に任せましょう 2 ページ24
side. you
劇場までのエスコート。
それはそれは完璧だった。
歩いて数分というわずかな時間でさえ
イギリスさんは油断なく私をエスコートした。
段差のところでは手を差し伸べ、基本的にドアは彼が開閉する。
その他にも私への配慮は忘れない。
紳士というよりも執事という言葉がぴったりだった。
―――オペラ終劇後
「お前泣きすぎじゃないか」
「だって、いい話じゃないですか・・・」
オペラを見終わり私達はロビーに座っていた。
ゆっくり流れる時間の中
私はと言うと、感激で涙が止まらなくなっていた。
「オペラ座の怪人って結構有名だろ?」
「話を知っててもオペラで見るのとはまた別です!」
オペラ座の怪人────
オペラに住み着く怪人エリックは
若手オペラ歌手のクリスティーヌに恋をする。
エリックはクリスティーヌを誘拐し、
オペラ座と町の人々を人質にとり結婚をせまる。
クリスティーヌは人質のこと、そして恋人のことを
思い結婚を受け入れ、その証にキスをする。
クリスティーヌが願う人々の幸せの思い、そして自分は母親にさえされなかったキスに感極まり人々を解放する。
そしてラストは、
「エリックの愛は素晴らしいですよ・・・」
「まぁ、確かにな・・・」
ラストはクリスティーヌが結婚し、死してもなお
愛情を密かに注ぐエリックに感動した。
イギリスさんも同感したのか何か考え込んでいたが
すぐに腕時計を見て私に話しかける。
「そろそろ空港に向かわないと夜行便がでるな」
「あ、そうですね」
でましょうと言った瞬間、ピロンと可愛らしい音がなった。
イギリスさんからの音だったのか
ポケットから端末を出した。
画面をスクロールしていくうちに段々と表情が険しくなる。
「あのどうかしました?」
「これ、見ろ」
尋ねると端末を私の顔の近くに持ってきた。
そこには
『本日の夜行便はエンジントラブルにより一部条件付き及び欠航』
その下の欄には私が乗るはずの便が欠航と大きく赤い文字で書かれていた。
「そ、そんな・・・」
イギリスでの足止め。
劇のカーテンコールは終わっても
オペラ座の夜はまだ終わらない。
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抹茶塩(プロフ) - 夢々煙さん» 夢々煙様、コメントありがとうございます!イギリスはちょっとカッコよすぎたかもなと今更ながら思っておりますw最後まで読んでくれてありがとうございました(*⌒▽⌒*) (2017年12月19日 12時) (レス) id: d8767b3e74 (このIDを非表示/違反報告)
夢々煙(プロフ) - 最後までとても素敵なお話でした…!イギリスの一言一言がカッコよ過ぎました。これからも頑張ってください応援してます (2017年12月19日 7時) (レス) id: b3413670f5 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶塩(プロフ) - ちまごんさん» ちまごん様、コメントありがとうございます!感動して頂けるなんてとても嬉しいです^^*シリーズ化ぜひ期待していてください!最後まで読んでくださってありがとうございました!次の作品も楽しみにしていてください(´∀`) (2017年12月18日 0時) (レス) id: d8767b3e74 (このIDを非表示/違反報告)
ちまごん(プロフ) - やばいめっちゃ素敵だ、感動した…!シリーズ化期待していいですか…いいですよね…! (2017年12月17日 22時) (レス) id: 31ff02926d (このIDを非表示/違反報告)
抹茶塩(プロフ) - ぽっぷこーんさん» ぽっぷこーん様、コメントありがとうございます!最後のシーンを気に入ってくださり光栄です(*^^*)また次のお話やこのシリーズをぜひ楽しんで頂けたら幸いです。最後まで読んでくださってありがとうございました(´∀`) (2017年12月17日 10時) (レス) id: d8767b3e74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:抹茶塩 | 作成日時:2017年12月7日 11時