帰り道。2 ページ3
『そういえば安室さん、夕方の用事ってなんですか?』
ふと、安室さんも用事があると言っていたことを思い出した。
「あぁ.....いや、今日はもう大丈夫だ。食材も載せてるし、早めに帰ろうか。」
『そうですか.....? 』
気を遣っているのだろうか。
私だけ付き合わせてしまって申し訳ないなと思っていると、安室さんの携帯が鳴った。
《〜♪〜》
ドリンクホルダーのあたりに固定されている安室さんのスマホの画面は、こちらからは見えない。
その画面を見た時、安室さんの表情が強張ったように見えた。
しかし一瞬の出来事だったので、私の勘違いかもしれない。
「悪い、ちょっと電話をかけ直したいから端に停める。」
『どうぞどうぞ!』
路肩に停めた安室さんは、車から降りて電話をかけている。
(そうだ、雪には一応報告しておこう。)
雪のお節介のおかげでたくさん話せたし、なんと恋人にもなれた。
(簡単にでいっか。また会った時に言えばいいし。)
A安室さんと付き合うことになった
簡潔な文を送りつけ、外にいる安室さんの方を見る。
まだ電話中のようだが、表情がポアロにいる時とは全然違う。
しかし、街中で見かけた時の表情とも異なる。
(あれが、3つ目の顔?)
安室さんはトリプルフェイスだと言っていたが、私はそのうちの1つしか知らない。
その唯一知っていると思っていた「ポアロのイケメン店員」が探偵ということも知らなかった。
(ほんとに何も知らないや...)
そんなことを考えていると、安室さんが戻ってきて申し訳なさそうな顔をした。
『どうかしましたか?』
「えぇ....すみませんが急な仕事が入ってしまって、また別の日にお邪魔してもよろしいですか?」
(あれ、なんで敬語?)
『は、はい、分かりました!あ、じゃあここからは歩いて帰りま「送ります。」えぇぇぇぇ』
有無を言わさず、といった様子で安室さんは車を発進させた。
「連絡もなかなかとれなくなると思いますが... ん?そもそも連絡先を知りませんね?」
『ふたりでお話ししたのも昨日が初めてですからね。」
急展開だったため、順序がめちゃくちゃだ。
マンションまで送ってもらい、お互いの連絡先を教え合った。
連絡先に安室さんの名前があることに嬉しくなり頰が緩んでしまう。
「では僕は行きますが、戸締りはしっかりするように。」
そう言って私の頰にキスをした安室さんは、動揺する私を見て笑いながら去っていった。
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やっち(プロフ) - えっ終わりですか?続きが読みたいです (2022年4月18日 19時) (レス) @page16 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
イアデビル(プロフ) - 好きです!これで終わりですか?めっちゃ面白いので最新待ってます頑張ってください! (2020年3月22日 10時) (レス) id: ef5404f845 (このIDを非表示/違反報告)
壟薇 - チュキ(≧∇≦) (2019年9月25日 18時) (レス) id: ba5f7bf38b (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 好きです。更新頑張ってください! (2019年5月20日 11時) (レス) id: a6030a90d7 (このIDを非表示/違反報告)
梨王(プロフ) - ルートさん» コメントありがとうございました!夜しか眠れないなんて...朝もしっかり寝ましょう!?(ovo) (2019年3月17日 18時) (レス) id: 2a5069a4c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梨王 | 作成日時:2018年5月9日 7時