1週間ぶりの。ー安室sideー ページ15
相変わらずAは黙って俺が近づいて声をかけると良い反応をする。
あの後もう一度背後から声をかけてみたが、その時は桜井さんもコナンくんも面白いくらいに驚いていた。
(あまりにも良い反応をするから癖になりそうだな。)
そんなことを考えながら、ふとAがコナンくんを抱き寄せていたことを思い出した。
おそらく付き合っていることを周りにバレないようにコナンくんの口を塞ぎたかっただけなのだろうが、ついポロっと口から「羨ましい」という言葉が出ていた。
(はぁ...思った以上に疲れているようだ)
カウンター席に移って俺を待っているAを見てみると、何かの本を読んでいる。
真剣に読んでいるところをみると、仕事関係のものなのだろう。
コナンくんと桜井さん、他の客もすでに帰った後だ。
梓さんも今日は用事があるからと先に帰り、今は俺とAの2人しかいない。
『Aさん、待たせてしまって申し訳ないです。このあと予定はありませんでした?』
コーヒーカップを拭きながら声をかけると、Aは本から目を上げ、微笑んだ。
「いえいえ!予定もありませんし、久しぶりに安室さんに会えて嬉しいです。」
『そうですか......僕もあなたに会えて嬉しいです。』
頬を赤らめながらのストレートな言葉に不意を突かれ、自分の耳が少し熱くなるのを感じた。
「安室さん、この1週間ちゃんと休める時間はありましたか?」
心配そうにこちらを見るAを見て、やはり連絡をとっておけば良かったと思った。
『えぇ、ちゃんと食事と睡眠はとっていましたよ。(必要最低限の栄養と、一般的には睡眠不足と言われるような数時間だが...)』
今日その不足分を補う予定だから問題ない。
それにAに癒してもらえばむしろプラスになる。
得意な笑顔を作り、詳細については伏せて答えると、Aの目がピクッと動いた。
「本当ですか?」
先ほど頬を赤らめていた時とは違い、こちらを冷めた目つきでスッと見据えている。
『な、何がです?』
「必要最低限の栄養と、とても足りているとは言えないような睡眠時間なんじゃないですか?」
『、、、、、。』
「やっぱり。」
(なぜバレたんだ?ポーカーフェイスは得意なはずなんだが....)
無言は肯定と捉えたAがガタッと椅子から立ち上がった。
『Aさん...?どうかしましたか?』
「安室さん!今日は家に帰ってゆっくり休んでください!!!」
『、、、、はい?』
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やっち(プロフ) - えっ終わりですか?続きが読みたいです (2022年4月18日 19時) (レス) @page16 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
イアデビル(プロフ) - 好きです!これで終わりですか?めっちゃ面白いので最新待ってます頑張ってください! (2020年3月22日 10時) (レス) id: ef5404f845 (このIDを非表示/違反報告)
壟薇 - チュキ(≧∇≦) (2019年9月25日 18時) (レス) id: ba5f7bf38b (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 好きです。更新頑張ってください! (2019年5月20日 11時) (レス) id: a6030a90d7 (このIDを非表示/違反報告)
梨王(プロフ) - ルートさん» コメントありがとうございました!夜しか眠れないなんて...朝もしっかり寝ましょう!?(ovo) (2019年3月17日 18時) (レス) id: 2a5069a4c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梨王 | 作成日時:2018年5月9日 7時