短い間ではありますが。 (ページ39)

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＊主人公side ページ39

バドミントン部は２組に自分しかいなかったけど、バスケ部は多い。
高橋くんを筆頭に試合でやってるらしい円陣まで組んで、結果も圧勝。
W優勝に加えて私と高橋くんはMVPにもなって。
表彰状を貰う前に休憩がてら体育館の外へ出た。

「高橋くん凄かったよ！」
「当たり前やろ、俺キャプテンやで？」

そんなこと言って頭を大きい手で撫でられたら、私は嫌でも何だかドキッとしてしまうんですが…
恥ずかしながら今ちょっと良い雰囲気？なんて。
所々で感じる視線だって高橋くんは気にならないのか、一貫して余裕そうな表情にまた高鳴る胸。

「顔赤くして、何」
「あ、いや…」
「もう放課後までなんて、待てへんわ」

人気が無いのを良いことに少しずつ迫ってきて。
だから言って？高橋くんの言葉が耳許を擽る。

「高橋くんが好きです…」
「ふふっ、知ってる。俺と付き合お？」
「はい…」
「じゃあ今日からよろしく」
「あ、えっと…」
「もうお前は喋んな。あと俺は大好きやから」

そっと一瞬触れて離れた、唇の柔らかい感触。
ほんのり水を含んで冷たかった其れと反比例するように体温は上がるばかりで思わず下を向いた。

「ほら行こ？」

やっぱり余裕のある笑顔を崩さない恭平くんに、ずるいと言ってから、差し出された手を握った。