短い間ではありますが。 (ページ13)

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＊古謝side ページ13

計測も後半になり減少した人数。
何だかんだ見入ってまうんよね。
勿論しっかり記録は取りながら、皆の頑張ってる姿を見てるのも楽しみの１つで。
運動を楽しむ為にも無理はして欲しくないけど…

「柚奈ちゃん大丈夫!?」
「先生、真中さん過呼吸かも！」

ダンッという音が聞こえて、ざわめく場の空気。
そこには今朝まとくんが親しげに話し掛けていた『真中』というゼッケンの子が倒れ込んでいて。
はあはあと荒い息、大きく上下する肩、赤い顔。
ただの走り疲れか、体調の悪さも入ってるのか。
息が上がっている時は話せるかと水を飲めるかがボーダーライン、過呼吸との違いが判断できる。
少しでも呼吸を制御できていれば回復は早い筈。

「真中さん聞こえる？返事できる？」
「はぁっ、はぁ、大丈夫です…」
「保健室は行かんで良さそう？」
「平気、はぁ…記録、上がった」

辛そうに話しながらも清々しい表情の真中さん。
心の底から運動を楽しんでる、そんな姿やった。
やっぱり体育の魅力はこういう所にあると思う。
最初は動きづらかったりしてる人も、皆どんどん楽しげになって終わった頃にはスッキリしてる。
だから俺は、この進路を選んで進んでるんや。