case.7 ページ33
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神 side
『 はあ〜 満たされた〜〜! 』
お腹をポンポン叩きながら満足そうに横になる
空腹なのは可哀想だ
俺らは人前で食事をするのが当たり前だけど、Aはそうもいかないから大変だろう
少しでも助けになれてたらいいな
「 ちょっと散歩でもする? 」
『 いいね、食後の運動 』
「 夜の風は気持ちいいね 」
『 夏の夜って好きだな〜… 優勝したらみんなで花火とかしたいね 』
「 あ、楽しそうだね 」
『 海で花火とかしてみたいな〜 』
「 花火はしたことある? 」
『 ない! 』
「 じゃあ、みんなでやろっか 」
『 わ〜い! 絶対楽しいよね! 海で花火してBBQしたりするの夢だったの! 』
「 BBQ? 」
『 あ、もちろん私は食べなくていいんだけど、なんかあの雰囲気が憧れだったんだよね 』
Aの願いは叶えてあげたいな…
優勝したら、なんて言わずに夏休みの思い出として、高校生活をこれから楽しめるようにしてあげたい
来年は牧さんも居なくなっちゃうし
···
『 なんでそんな怒ってるの? 』
清 「 お前が誰にでも優しくするのが悪いんだろ
俺が助けてやらなかったらどうするだよ 」
『 でも、清田が助けてくれたじゃん 』
清 「 お前自身も気を付けろよ!! 」
「 どうしたんだよ 」
牧 「 何があったんだよ 」
怒鳴る清田に悲しんでるA
この二人はいつも波乱を持ってくる
あ、Aの頬が赤くなってる
「 どうしたの? 」
『 ちょっとね… 』
話しにくそうに俯いた
頬に触れながら優しく聞いても答えてはくれない
牧さんが清田を宥めてる
……きっとAが原因なんだろうけど
『 清田に申し訳ないことしちゃった… 』
「 頬っぺ冷やそ? 」
『 うん 』
「 そんな心配しなくても大丈夫だよ 」
『 宗ちゃん、ごめんね 』
救急ボックスを出して冷やしてあげる
いつも賑やかなAがこんなに大人しいなんて、珍しいこと過ぎて俺も戸惑ってしまう
『 せっかく気持ち良く勝ったのに… こんな事になっちゃって、本当にごめんなさい… 』
「 そんな気にしなくていいよ 」
『 こんな時でもお腹が空くなんて嫌になる 』
「 生きてるんだから当然だよ。 帰ったら、ゆっくりご飯食べよっか 」
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作者名:さとみ | 作成日時:2022年12月24日 23時