お嬢様、どんなヤンデレをご所望で？ (ページ1)

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幼馴染【千空】ページ1

『千空〜！ごめんめっちゃ待たせちゃって！委員会の仕事が長引いちゃって〜お詫びにコーラ買ってきた！』

息を切らしながら走ってくるリリも愛おしい。

少し頬が赤い。

千空「おう、サンキュ。」

俺とリリは幼馴染だ。

だから、リリのことはよーく知ってる。

好きなもの、性格。

家で何をしてるか、お風呂でどんな歌を歌ってるのかさえ。

これはきっと恋なんじゃねぇかと思う。

ちーと、異常なんだと思うが。

『早く帰ろう！家に帰ったら６時過ぎにになっちゃう！』

千空「良いけどよー、どうしてリリはそんなに急いでんの？」

俺は知ってる。

小さい子が見るアニメを楽しみに、オンエアで見るために急いでいることを。

『アニメ…みたいのがあるんだ。』

千空「何だそれ？俺にも教えてくれ。」

『えぇー…いいけどさ、ちっさい女の子向けのだよ？千空みるの？www気になるんだぁー？へぇー？』

ニマニマと嬉しそうに教えてくれる。

スマホの画面をドーンと突きつけてきた。

その時、バイブ音がなった。

『ん？誰かな？』

俺の方に向けられていたスマホ画面に男の名前が出ていた。

『あ、先輩からか。ライン返さないと……』

文章を書くためにリリは数分間静かにしていた。

俺も話しかけられなくて黙っていた。

怒りとか嫉妬が押し寄せてきた。

世界が酷く歪んで見えていた。

リリに近づくなよ。

こんなにもリリが好きなのは俺だけなんだよ。