イマジナリーフレンド【轟焦凍】 (ページ13)

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十三ページ13

❆

『最近の焦凍は気合いが入ってるね』

「もうすぐ体育祭だからな」

『ってことは焦凍、テレビに映るんだね！』

「あぁ」

日本中の人が注目する大イベント、雄英高校体育祭

注目度が高いほどヒーロー事務所からのスカウト数が多くなる

『炎の練習はしなくてもいいの？』

「前にも言っただろ。俺は氷だけで上に行ける」

『それにしても、なんだかいつもに増してイライラしてるね。どうして？』

「別に何もねぇ」

確かに俺は腹が立っていた

＿＿緑谷出久

奴の個性はオールマイトの個性に似ている

自身の体をぶっ壊すほどのとてつもないパワー

俺は奴に勝たなければ、オールマイトをも超えられない

それにオールマイト…彼は奴をすごく気にかけている

No.1ヒーローを超えることを果たすためだけの駒になんてならない

俺は必ず

右側だけで1番になって、親父を完全否定する

、

「…なんでいるんだよ。家で大人しくしてろって言っただろ」

『テレビだけじゃ物足りないよぉ〜！それに焦凍の特訓の成果、しっかり肌で感じたいんだ！』

「くれぐれもみんながいる前では俺に話しかけるなよ」

『わかってるよ』

控え室、開会式、移動の間もAはずっと俺のそばにいた

控え室では俺は、緑谷に宣戦布告をした

それからずっとAは何かを言いたげだったが、いつの間にか姿を消していた

その後は

第一種目は障害物競走

結果は、最終関門で緑谷に追い上げられて2位

第二種目は騎馬戦

警戒が薄かった頭のはちまきを取られたが最終種目への出場を決めた

昼休憩になると俺は緑谷を呼び出して

これまでのことを話した

親父のこと、母のこと…、奴に対して気になることも

緑谷からも改めて宣戦布告を受けた

『彼も焦凍も大胆だ』

「俺は本気だ。あいつの道具なんかにはならねぇ」

『……そんなの、嘘だよ…、…焦凍っ……、もう一度よく考えてよ！』

「うるせえよ！お前はいつも余計なことばかり…！もう決めたことだ。これ以上何も言わないでくれ」

このときの俺は

肝心なことを忘れている気がしていた

思い出せなくて、腹が立って

ヒントもくれないAに怒りをぶつけた

Aはいつも助けてくれるから、と勝手に甘えていたから