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『……大丈夫、なので…』
「…そうなの?」
まだ私の隣にいる美香ちゃん。
もう…早く帰ってよ……
安心して泣けないから。
また視界が潤んだ時、
美香ちゃんが「そういえば…」と言った。
「…黄瀬君のこと、なんだけど」
『……なんでしょうか』
「黄瀬君って、料理うまいんだね!
教えること何もない……って、あぁ!」
慌てて口を抑える美香ちゃん。
…料理、教えてたんだ…。
何の為に?
もしかして…
美香ちゃんとは違う、他の子に手料理を振る舞う…とか。
「…ごめんね、さっきの無視して!」
『…素直に、言ってくれればいいのに…』
何が?
と、聞き返す美香ちゃんの方を向き、
震える声で言った。
『…嫌いになったのなら…
言ってくれれば…嬉しいんですけど…』
「…え?……待って、どうゆうこと!?」
美香ちゃんの声を無視して、
全速力でそこから逃げた。
*
*
来た先は、
保健室。
今日は、先生が出張。
勿論、鍵がかかっている…けど、
………ほら、やっぱり。
後ろのドアはかかっていない。
そっちから入り、ベッドに座った。
本当、私って馬鹿だよね。
なに本気にしてたんだろう…
「……い、痛いっ!誰なんスか!」
『へっ?…黄瀬君!?』
「あれ、Aっち?」
どうやら、
黄瀬君が寝ていたようです。
その上から座ってしまった、つまり…
この重い体を黄瀬君に…?!
『…す、すいませんっ!』
「いだいっ!うご、動いたら駄目っス!」
うぁあぁぁぁ…!
黄瀬君の苦痛の悲鳴が胸に刺さります…。
急いで立ち上がると、
黄瀬君は起き上がって、きょとんとした顔で聞いてきた。
「そういえば…帰宅部なのに、まだ帰らないんスか?」
『……えっ、と…忘れ物です』
「そうなんスかぁ」
いつもの笑顔に戻る黄瀬君に、
少しの罪悪感。
……もう、言ってしまおうかな…。
うん、言おう。
このままでも気まづいだけ、だしね。
『…黄瀬君、あの…他の子が好きになったのなら、素直に…言って、…ひっ』
びっくりした。
だって、
黄瀬君の顔が、あまりにも怖いから。
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小悪魔レミイ(プロフ) - あ、あの!続きはまだでしょうか…?! (2015年8月15日 22時) (レス) id: 728acdb7b6 (このIDを非表示/違反報告)
かぼちゃポンタ(プロフ) - 赤司っちぃぃい!?波乱の予感っすね(*゚ェ゚)ノ (2015年4月29日 21時) (レス) id: 86e5e3f0be (このIDを非表示/違反報告)
ララニ(プロフ) - 私も受験です!お互い頑張りましょうね\(^^)/ (2015年4月11日 17時) (レス) id: 9003683559 (このIDを非表示/違反報告)
美羽(プロフ) - 受験頑張って下さい!! (2015年4月11日 0時) (レス) id: c30a382f90 (このIDを非表示/違反報告)
あゆすけ(プロフ) - 赤司マーケットさん» 目指すは「ラブコメ」ですからね!それにちょっとでも近づけていたら、幸いです(●´∀`) (2015年3月31日 13時) (レス) id: 8d5bad7447 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あゆすけ | 作成日時:2015年3月7日 14時