藍と一未の短編集

所有印（志摩） ページ22

Aside




カーテンの隙間から差し込む光で目が覚める。

寝返りを打とうと身体を動かすと腰を激痛が襲う。

痛い。

ものすごく痛い。

泣きそう。

こんな痛くなるまでする？普通。


『うわ、何も着てない』


それは隣に寝ている一未も同じで、抱きつかれている腕から直に体温が伝わってくる。

一未に抱きつかれて眠るのには慣れた。

でも身体を重ねる事も、翌日に行為を思い出すこの時間には未だに慣れる事が出来ない。

ホント恥ずかしくてたまらない。

いつも最後の方の記憶がなくていつの間にか朝になっているのがまた怖い。


元凶である絶倫悪魔は幸せそうにスヤスヤ眠っている。

畜生かっこいい。

憎らしいけど顔が良いんだよね私の彼氏。


『…トイレ行きたい』


一未を起こさないようにそっとベッドから抜け出してパジャマを羽織る。

腰の痛みを訴える身体に鞭を打って壁伝いに歩いてトイレへと向かった。



『ひぇっ』


トイレを済まして洗面所で手を洗っていると、自分の首元の異変に気付く。

昨日自分が確認した時には無かった物がびっしりと。

すっごいんですけど。

キスマークの量が。


志「起きてたのか、A」

『お、おはよう一未…』


上半身裸の一未様のご登場。

助けて色気に殺されそう。


志「身体大丈夫か？」

『…平気、じゃない。こ、腰とか、全身痛いっ』

志「いつまで経っても反応が初々しいな…。何回もシてるだろ」

『こんなのいつまで経っても慣れないよ。てゆーか上服着て下さい。ん…？あれ、一未首元と赤くなってる、よ…』


鏡越しにまじまじと見ると、一未の首元にある赤いものの正体が分かった。

キスマークだ、あれ。

んん？昨日寝る前にはなかったよね。

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