quatre-vingts ページ31
怒鳴ったのはハリーも同じだった。
ハリー「Aはずっとあんたを庇っていた！恥を知れ！学生の時揶揄われたからって──」
セ「我輩にその口の利き方は許さんぞ！」
教授がますます狂ったように叫んだ。
セ「我輩は今貴様の命を助けてやったんだ──ひれ伏して感謝するがいい！自分の間違いを認めない愚かさは父親そっくりだな！」
ハリーが杖を上げようとする。私はそれを見て、何を考えた訳でもなく、教授の両手を握った。
彼がぎょっとしたように目を見開く。
セ「その手で──触るな──」
『私は貴方に何て言われようと構いません。言ったでしょう？むしろ、御褒美だって』
冗談めかしく笑った後、私が次に浮かべた笑顔は切なかったはずだ。
『だから今は、お願いですから、ハリーへのその言い方はやめて下さい』
彼は私を見下ろして固まっていた。
セ「離、せ──」
私は、その言葉を無視して1歩彼に近づいた。彼の体が少し震える。
部屋が急に静かになった。
私は彼の胸板に顔を寄せ、背中にそっと腕を回した。
『もう一度、私を信じて下さい』
セ「……A」
セブルス教授が掠れた声で私の名前を呼んだ時、ハリー、ロン、ハーマイオニーの叫び声が聞こえた。
「「「エクスペリアームズ！！」」」
ク「プロテゴ」
すぐにクィリナスの防衛呪文が聞こえる。
『ありがとクィリナス』
ク「貴女、さっき私に目配せしたでしょう」
私は唇の端を上げて、教授から静かに離れた。
──が、離れようとすると教授は私の右手をそっと握った。
まるで行くなと言っているようで、今までにない、優しい繋ぎ方だった。
私は驚いて顔を上げたが、彼は私ではなくハリーたちを睨んで、静かな声で唸るように言った。
セ「今我輩に攻撃をしたのは誰だ──そこの愚かな3人組か」
『教授が取り乱しているからですよ』
私は彼の手を少し引っ張って言った。
『ほら！これで皆落ち着きました。……ゆっくり話しましょう』
ね？とルーピン先生を見つめると、彼は唖然としていたところで、はっと自分を取り戻したようだった。
ル「──そうだね」
皆、私達を見て呆然としていた。セブルス教授は気まずそうに髪を少し触った。
ロ「……ねぇ」
ロンが本題を思い出してくれたようだ。彼は、ハリーたちに助けを求めるように訊いた。
ロ「なんで鼠なんて沢山いる中でスキャバーズなんだ？」
ルーピン先生が静かに頷く。
ル「それは私も思っていた。どうしてだ、シリウス」
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くるみん(プロフ) - 本当に素敵な小説です。一気に読み進めています(*´`) (2021年10月11日 10時) (
レス) @page50 id: b1b94321bc (このIDを非表示/違反報告)
ウンマ - とっても素晴らしいです (2021年3月8日 17時) (レス) id: b2f17d6310 (このIDを非表示/違反報告)
おばけ(プロフ) - yu-kaさん» ずっとコメントに気付かずごめんなさい！たった今直したところです。ご指摘ありがとうございました。遅くなって本当に申し訳ないです。 (2019年11月20日 11時) (レス) id: 44ca875d76 (このIDを非表示/違反報告)
yu-ka(プロフ) - いつも楽しく拝見させて頂いてます。ハリポタの小説の中で一番面白いです！余計かもしれませんが、p2の守護霊の呪文はエクスペリアームスではなくてエクスペクトパトローナムではないでしょうか？勘違いでしたらすみません。これからも楽しく拝読させていただきす！ (2018年7月4日 3時) (レス) id: 4be1b9fb48 (このIDを非表示/違反報告)
ユーレイ(プロフ) - 庵さん» ありがとうございます、頑張ります！ (2018年3月15日 10時) (レス) id: 19fb53cdaa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：O
| 作成日時：2017年12月30日 23時
