soixante-quinze ページ26
よろよろと起き上がると、ハリーがシリウスに跨って杖を向けているところだった。
いつの間にかハーマイオニーたちにも杖が戻っている。
私はハリーの背後から肩をぐいっと引っ張った。
『お願いハリー、落ち着いて！』
ハリー「落ち着けるもんか！」
暴れるハリーを押さえ込もうとすると、後ろに杖を当てられる感覚。
『ハーマイオニー……？』
怪訝な顔をして振り返ると、ハーマイオニーが涙を流しながら私に杖を向けていた。
『待って、ほんとに違うんだ──』
その時、誰かが階段を上がってくる音がした。
ハー「ここよ！」
バタン！と扉を開けて出てきたのはルーピン先生だ。
ル「エクスペリアームス！」
『プロテゴ！』
私以外の杖が飛んだ。ルーピン先生はハッとした顔で私を見て、そして静かに言った。
ル「まさか、君もシリウスの話を聞いて？」
『はい』
私はハリーを離し、ハリーもシリウスから離れた。
ルーピン先生はシリウスに杖を向けたままだ。
ル「シリウス。君はずっと私に黙ってたのか？それで、ずっとアズカバンに──」
ルーピン先生はシリウスを助け起こし、抱きしめあった。
ハリーたちの方を見ると、マネキンのように固まって呆然としている。
ル「Aもシリウスを助けてくれたんだね。でも、一体どうして？」
『それは……』
ハー「何てことなの！」
返答に困っていると、私にとってはラッキーなことに、ハーマイオニーの叫び声で遮られた。
ル「待つんだハーマイオニー」
ハー「皆騙されないで！この人、狼人間なのよ！それで、ブラックの手引きをしていたんだわ！」
『ハーマイオニー！！』
私は怒鳴った。ハーマイオニーはひっと声を上げ、ルーピン先生は私を止めた。
彼はそっと口を開いた。
ル「ハーマイオニー。君らしくない。合っているのは僕が狼人間ということだけだ」
ロンが勇ましくも立ち上がろうとした。ルーピン先生が慌てて支えようとして、彼は構わず振り払った。
ロ「僕に近寄るな！狼男め！」
私の中でプチン、と何かが切れる。
『よくそんなことが言えるな！』
ル「A」
『今までルーピン先生は私達に良くしてくれただろ！狼人間がなんだ──』
ル「A、もういいよ、ありがとう」
彼は微笑んだ。見ると、クィリナスがロンを座らせている。
ロンはクィリナスのことも振りほどいていた。
ル「ハーマイオニーはスネイプ先生の授業で気づいたんだね？」
ハー「Aもよ。でもAは裏切ってた！」
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くるみん(プロフ) - 本当に素敵な小説です。一気に読み進めています(*´`) (2021年10月11日 10時) (
レス) @page50 id: b1b94321bc (このIDを非表示/違反報告)
ウンマ - とっても素晴らしいです (2021年3月8日 17時) (レス) id: b2f17d6310 (このIDを非表示/違反報告)
おばけ(プロフ) - yu-kaさん» ずっとコメントに気付かずごめんなさい！たった今直したところです。ご指摘ありがとうございました。遅くなって本当に申し訳ないです。 (2019年11月20日 11時) (レス) id: 44ca875d76 (このIDを非表示/違反報告)
yu-ka(プロフ) - いつも楽しく拝見させて頂いてます。ハリポタの小説の中で一番面白いです！余計かもしれませんが、p2の守護霊の呪文はエクスペリアームスではなくてエクスペクトパトローナムではないでしょうか？勘違いでしたらすみません。これからも楽しく拝読させていただきす！ (2018年7月4日 3時) (レス) id: 4be1b9fb48 (このIDを非表示/違反報告)
ユーレイ(プロフ) - 庵さん» ありがとうございます、頑張ります！ (2018年3月15日 10時) (レス) id: 19fb53cdaa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：O
| 作成日時：2017年12月30日 23時
