しえんと べいんてぃぬえべ ページ31
去っていく彼の背中を見ていると、ムーディが近づいてきた。
ム「邪魔をしたかな？」
『そうですね、とっても』
クィリナスは下世話な話ばかりだというようにうなだれ、鷲に姿を変えると私の肩に乗った。
ム「危なかったな、ポッター」
『世話かけないでよ』
私は呆れ笑い半分で地図を手渡そうとした。だが、ムーディがそれを遮った。
ム「それはなにかね？」
ハリー「ホグワーツの地図です」
ム「たまげた」
ムーディが地図を広げて呻く間に、私はハリーを引っ張りあげた。
『あはは、間抜けな格好』
ハリー「ごめん、ありがとう…」
ム「研究室に誰が入ったのか、おまえ、もしや、見たか？」
ハリーは足を動かしながら言った。
ハリー「えーと…見ました…クラウチさんでした」
ムーディに突然警戒するような表情が浮かんだ。
『クラウチ？』
私も合わせて裏返った声を出す。クィリナスが茶化すように嘴で耳を食んだ。
ム「ふむ。やつはもうここにはいない───クラウチか。おもしろい」
ハリー「あの…どうしてクラウチさんはスネイプの研究室に…」
『何か起こってると考えたとか』
ム「どんなことかね？」
ムーディの鋭い質問に、私達は目を合わせた。
ハリー「…わかりません。最近変なことが起こっているでしょう？新聞とか、ワールドカップの闇の印とか、死喰い人とか…」
ムーディは両方の目を見開いた。
ム「君らは聡い。…クラウチもその線を追っているのだろう。どうも人心が動揺しておる」
歪んだ口元にぞっとする笑いが浮かんだ。
ム「いや、わしが一番憎いのは───野放しになっている死喰い人よ…」
彼が意味深に私を見たので、私は済ました顔で見つめ返した。
ム「さて、今度はわしが訊く番だ」
ハリーが身構えた。きっと「この地図はどこで手に入れた？」なんて聞かれると思っているんだろう。
ム「これを貸してくれるか？」
ハリー「は？」
ハリーは素っ頓狂な声を出した。しかし、彼にはムーディに借りがある。
ハリー「ええ、いいですよ」
ム「いい子だ。これはわしの役に立つ…」
ハリーたちは階段を上がり始めたが、私は下った。
ム「どこに行く？」
『私の部屋ですよ。悪いですか？』
ム「…お前は闇祓いには向かんな」
言わずもがな教授のことだとすぐに分かった。私は彼らに背を向けたまま方手を振った。
『なる気もないよ』
私は手を振り払った時の教授の顔を思い出しながら呟いた。
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ユーレイ(プロフ) - 羽音さん» メッセージ、イラストともにありがとうございます！楽しく拝見させてもらいました。自分の小説からイラストまで書いていただけるなんて本当に嬉しいです。ありがとうございます！ (2019年6月1日 23時) (
レス) id: 44ca875d76 (このIDを非表示/違反報告)
ユーレイ(プロフ) - mikittyさん» 素敵なコメントにこちらこそニヤニヤしました……この焦れったい感じが書くのが楽しくて、どうしても長引かせてしまいます笑 (2019年6月1日 23時) (レス) id: 44ca875d76 (このIDを非表示/違反報告)
羽音(プロフ) - メッセージに書いていたURLです！→http://uranai.nosv.org/img/user/data/0/9/a/09ad2710a06e0237527c6512112dc071.png (2019年5月31日 21時) (レス) id: d257d5a444 (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 更新されているとニヤニヤしちゃうくらいに好きです…お互いに焦れったい感じがたまりません！セブルスという人物をとても細かく丁寧に描いている素晴らしい作品です。これからも楽しみにしています！ (2019年5月31日 1時) (レス) id: 05ebd46207 (このIDを非表示/違反報告)
ユーレイ(プロフ) - パンジーさん» 空きコマのお供にしてもらえてよかったです！！(！？) さらに面白いと思って貰えるような展開にできたらと思ってます。楽しいコメントありがとうございました！ (2019年5月30日 21時) (レス) id: 44ca875d76 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：O
| 作成日時：2018年10月23日 12時
