しえんと べいんてぃせいす ページ28
あまり心地いいとは言えない感覚だ。内蔵が歪むような感じがするし、足がゆっくりとくっついていくのは若干でも怖い。
青白い光がうっすらと消えていき、現れたのは人魚となった私の体………ではなく、
ク「考えましたね……ウミヘビとは」
私はタオルで胸を隠してから、暗い緑の艶やかな鱗を纏った足を持ち上げて見せた。
『ちょっとグロテスクだと思わない？』
ク「いえ…綺麗です」
『ほんとかよ』
私は笑いながら言って、息を吸い込むとお湯に潜った。
『………！』
味わったことのない感覚に思わず目を見開く。というか、見開いても目にしみない。それに、足…というより蛇となった部分がぐにゃりぐにゃりと動いて水中を進める。
時間制限があるとはいえ息を我慢しなくても泳げるというのはこんなに気持ちのいいものなのか。
私は卵をもう一度開けて踊るように泳いだ。お湯が頬を撫でていく。
「……われらが捕らえし 大切なもの」
ぷはっ！と顔を上げる。クィリナスが不思議そうな顔をしていた。
ク「どうしました？もう魔法が解けたとか」
『ラミアー様がそんな失態するわけないでしょ』
ク「年々態度が大きくなっていきますね」
クィリナスの嫌味を聞きながら、私は後ろを向いて浴槽からあがった。
『私の大切なもの…というか人って何かなあ。あ、ちょっと後ろ向いてて』
私は魔法をとき、体を拭き始めた。
『もしかしてクィリナスだったりして』
ク「私？嫌ですよ、面倒ごとに巻き込まれるのは」
背後から歯の隙間からだしたような声が聞こえて、私はくすくすと笑った。
『さて、そろそろいこうか』
ク「もう振り返っていいですか？」
『うん、ありがとう』
ローブに着替え、防具だけつけた私の肩にクィリナスがとまる。
杖で髪を乾かしながら外へ出ると、私達はぴたりと止まった。
目の前に例の黒い影があったからだ。
教授はやっと捕まえたと言わんばかりに意地悪な笑みを浮かべて言った。
セ「これはこれは…スキーターに新しい記事でも書いてもらうべきかな」
『……お風呂、一緒に入ったと思ってます？』
セ「どうだかな。グリフィンドール15点減点」
『15点は少し多くないですか？』
セ「20点にしよう」
クィリナスが表情だけで私に説教をしてくる。私はため息をついた。
『どうしてここが？ここ、教授の見回りじゃないのに』
セ「寝室に行く途中に抜け出すお前が見えた」
『…運命的なタイミング』
セ「幸せな奴だな」
『嫌味ですよ』
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ユーレイ(プロフ) - 羽音さん» メッセージ、イラストともにありがとうございます！楽しく拝見させてもらいました。自分の小説からイラストまで書いていただけるなんて本当に嬉しいです。ありがとうございます！ (2019年6月1日 23時) (
レス) id: 44ca875d76 (このIDを非表示/違反報告)
ユーレイ(プロフ) - mikittyさん» 素敵なコメントにこちらこそニヤニヤしました……この焦れったい感じが書くのが楽しくて、どうしても長引かせてしまいます笑 (2019年6月1日 23時) (レス) id: 44ca875d76 (このIDを非表示/違反報告)
羽音(プロフ) - メッセージに書いていたURLです！→http://uranai.nosv.org/img/user/data/0/9/a/09ad2710a06e0237527c6512112dc071.png (2019年5月31日 21時) (レス) id: d257d5a444 (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 更新されているとニヤニヤしちゃうくらいに好きです…お互いに焦れったい感じがたまりません！セブルスという人物をとても細かく丁寧に描いている素晴らしい作品です。これからも楽しみにしています！ (2019年5月31日 1時) (レス) id: 05ebd46207 (このIDを非表示/違反報告)
ユーレイ(プロフ) - パンジーさん» 空きコマのお供にしてもらえてよかったです！！(！？) さらに面白いと思って貰えるような展開にできたらと思ってます。楽しいコメントありがとうございました！ (2019年5月30日 21時) (レス) id: 44ca875d76 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：O
| 作成日時：2018年10月23日 12時
