cent dix-huit ページ20
足音が聞こえる──私は大急ぎで記憶を手繰り寄せた。カルカロフだ。
私が身構える前に、教授は私を背中に隠すようにして言った。
セ「行け」
私は小さく頭を下げると、すぐにその場を離れた。
冷たい風が頬に当たる。教授といた時には全く感じなかったのに。
イヤリングを指でいじりながら大理石の階段を駆け上がると、後ろから声が聞こえた。
ハリー「A！A！」
私に追いつくと、案の定ロンがにやにやと笑い出した。
『何が言いたいの？』
ロ「そんな怖い目するなよ。何も言ってないだろ？」
はぁ、とわざとらしくため息をつく。ハリーはそれよりも、と話を切り出した。
ハリー「すごいというか……ちょっと大変な話があるんだ」
ロ「ちょっとじゃないよ」
『何？』
ハリーは声をひそめた。
ハリー「実は……ハグリッドが半巨人だったんだ」
私はもちろん驚かなかった。逆に、そんな私を見て2人が驚いているようだった。
ロ「びっくりしないの？」
『まあね。あと、他人のルーツを本人の了承なしにひろめない方が良い』
ロ「あー、そうだね」
ロンは居心地悪そうに肩を竦めた。私はそれに微笑んでから、まあ、と歩き出した。
『それに、ルーツがどこにあったって私達とハグリッドの仲は変わらないし。ただ問題はそれが公になるか』
室内なのに、何故か少し冷たい風が通った気がした。と、その時。
セドリック「ハリー！A！」
ロンが察して手を振り、先に階段を上がっていく。私も彼に続いた。
セド「待って、君にも話があるんだ」
『ヒントならいらないよ』
格好つけて背を向けたまま片手をあげる。呆れたような笑い声が聞こえた。
ロ「聞かなくていいの？」
『ラミアー様には必要ないってもんだよ』
ロ「本当にそうだから責められないんだよなあ」
頭をかくロンに、まさかカンニングしてますなんて言えるわけもなく、私は代わりに自慢げに笑った。
寮に戻ると、既にクィリナスが羽を丸めて寝息を立てていた。
私は嘴を撫で、支度をし、ベッドに横になった。
目を瞑ると、教授と過ごした時間がぐるぐると頭を駆け巡る。気づかないうちに口角が上がった。
そういえば、今日はハーマイオニーがロンに言ってやった日でもあるのか。でも、まあ……私はもう少し今日に酔っても、バチは当たらないはずだ。
────────────
翌日はダンスパーティと打って変わって、みんな気だるげだった。私が起きたのはもちろん昼過ぎ頃だった。
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ユーレイ(プロフ) - 羽音さん» メッセージ、イラストともにありがとうございます！楽しく拝見させてもらいました。自分の小説からイラストまで書いていただけるなんて本当に嬉しいです。ありがとうございます！ (2019年6月1日 23時) (
レス) id: 44ca875d76 (このIDを非表示/違反報告)
ユーレイ(プロフ) - mikittyさん» 素敵なコメントにこちらこそニヤニヤしました……この焦れったい感じが書くのが楽しくて、どうしても長引かせてしまいます笑 (2019年6月1日 23時) (レス) id: 44ca875d76 (このIDを非表示/違反報告)
羽音(プロフ) - メッセージに書いていたURLです！→http://uranai.nosv.org/img/user/data/0/9/a/09ad2710a06e0237527c6512112dc071.png (2019年5月31日 21時) (レス) id: d257d5a444 (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 更新されているとニヤニヤしちゃうくらいに好きです…お互いに焦れったい感じがたまりません！セブルスという人物をとても細かく丁寧に描いている素晴らしい作品です。これからも楽しみにしています！ (2019年5月31日 1時) (レス) id: 05ebd46207 (このIDを非表示/違反報告)
ユーレイ(プロフ) - パンジーさん» 空きコマのお供にしてもらえてよかったです！！(！？) さらに面白いと思って貰えるような展開にできたらと思ってます。楽しいコメントありがとうございました！ (2019年5月30日 21時) (レス) id: 44ca875d76 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：O
| 作成日時：2018年10月23日 12時
