cent treize ページ15
その日は双子たちと雪合戦を終え(ハーマイオニーは呆れていた)、そのあと私はすぐにパンジーの元へ向かった。
ルシウスから貰ったドレスを見せると、彼女は感嘆の声を漏らしていた。
パ「これ、とても高価なやつよ……貴女には値打ちがわからないと思うけど」
『シンプルに貶すなよ』
パンジーはくすりと笑いながら私の手袋を取った。今日はパーティなのだからこんなものは必要ない。
パ「リップの色は何がいいかしらね……ほらA、ぼうっとしないでマニキュアでも塗ってて」
慣れない私は急かされるように手を動かした。
パ「私があなたの嫌なくらい綺麗な顔を最高に仕上げるわ」
『それ褒めてるの？それとも……』
パ「動かないで」
理不尽だ。
パ「ところで、貴女ブラックと踊るって聞いたけど本当？」
『まあね』
パンジーはこれみよがしにため息をついた。そして、その彼から貰ったイヤリングを私の耳に当てながら、「荒れそうね」と呟いた。
────────────
No side
シリウスは正面玄関の前でAを待ち合わせていた。少し時間があったが、彼女が現れたのはすぐに分かった。
その場にわっとざわめきが広がったからだ。
顔を上げると、不慣れそうにドレスを揺らしながらAが歩いてくるところだった。
『凄い視線を感じる』
開口一番はそれだった。シリウスは堪えきれない笑みを浮かべながら言った。
シ「いつも集めるようなことをしているじゃないか。それでも今日は、いつも以上かな」
きっとそうだろう。ショートヘアを編み込み、切れ長の目は冷たいとも感じるほど作り物のように綺麗だった。彼女の肌の色に、赤いリップと深緑のドレスがよく映えている。大人な魅力だ、と思わせるのは元の姿に戻っているのかもしれない。
シ「凄く綺麗だよ。私が緊張してしまうくらいに」
『嘘。シリウスだって格好いいじゃない、皆振り返ってるし』
大概嘘でもなかったのに。シリウスはAの手を引きながら思った。
『あ』
ふいにAが呟いた。彼女は「少し待ってて」と呟くと、その姿には似合わない子供のようなはしゃぎ方で駆けて行った。
───────────
『教授！』
いつもの声に、セブルスが振り返る。そして、目を見開いた。
『パンジーにやってもらったんです。ほら、私そういうの詳しくないですから……どうですか？』
Aは悪戯っぽく笑うと、くるりと回った。ドレスが彼女の色気をふわりと香らせる。
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ユーレイ(プロフ) - 羽音さん» メッセージ、イラストともにありがとうございます！楽しく拝見させてもらいました。自分の小説からイラストまで書いていただけるなんて本当に嬉しいです。ありがとうございます！ (2019年6月1日 23時) (
レス) id: 44ca875d76 (このIDを非表示/違反報告)
ユーレイ(プロフ) - mikittyさん» 素敵なコメントにこちらこそニヤニヤしました……この焦れったい感じが書くのが楽しくて、どうしても長引かせてしまいます笑 (2019年6月1日 23時) (レス) id: 44ca875d76 (このIDを非表示/違反報告)
羽音(プロフ) - メッセージに書いていたURLです！→http://uranai.nosv.org/img/user/data/0/9/a/09ad2710a06e0237527c6512112dc071.png (2019年5月31日 21時) (レス) id: d257d5a444 (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 更新されているとニヤニヤしちゃうくらいに好きです…お互いに焦れったい感じがたまりません！セブルスという人物をとても細かく丁寧に描いている素晴らしい作品です。これからも楽しみにしています！ (2019年5月31日 1時) (レス) id: 05ebd46207 (このIDを非表示/違反報告)
ユーレイ(プロフ) - パンジーさん» 空きコマのお供にしてもらえてよかったです！！(！？) さらに面白いと思って貰えるような展開にできたらと思ってます。楽しいコメントありがとうございました！ (2019年5月30日 21時) (レス) id: 44ca875d76 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：O
| 作成日時：2018年10月23日 12時
