six ページ7
ル「噂の通り、本当に面白い子だ」
『お褒めいただき光栄です』
芝居がかって深くお辞儀をする。ルーピン先生は愉快そうに目を細めて私を見た。
ちなみに、私の肩を掴む教授の力の強さはどんどん強くなっている。
私は肩をこわばらせて恐る恐る彼を見た。
『…………』
思わず口をぎゅっと結ぶ。教授の顔はまさに、人間が生み出す限界の憎しみの表情だった。
原作通り、彼はそれ以外の感情をルーピン先生に持ち合わせていないようだ。
この2人が分かり合うより、地球の終わりの方が先だろう。
変な汗がじっとりと背中に垂れる。
私はとりあえず、何か関係ない話をしようと思った。
『あﾞー……ええと、じゃあ逆にルーピン先生は私の本当の年齢を知ってます？』
ル「そうだね。ほかの先生方が知っていることなら」
彼は穏やかに言うと歩きだし、教授の傍で止まった。
ル「新学期からよろしく頼むよ。じゃあ、セブルス、またね」
彼は少し陰りの見える瞳でそう言い残すと、またゆらりと歩きだし、部屋を出ていってしまった。
私は扉の閉まる音が聞こえた瞬間に、教授の手をなんとか振りほどいた。
『いっ……たい！！！』
私は肩をさすりながら彼を見上げた。
彼は怒りのあまり、口元をひくひくと痙攣させている。
『…………』
思わず苦情を言おうとしていた口を閉じる。
『……じゃあ、あの、校長。失礼します』
私は流れるようにお辞儀をして、そそくさとその場を後にした。
教授はまだそのまま、そこで固まっていた。
私は校長室を出るなり、早足で自室に向かった。
今頃彼は、校長に自分の不満をありったけぶつけていることだろう。
私は自室に飛び込んだ。
そこで初めに目にしたのは、優雅に珈琲を飲むクィリナスだった。
『……何してんの』
ク「珈琲をいただいています」
『確認するけど、ここ私の部屋だよね？』
ク「ええ」
この人意味分かってる？
私は首をかしげて彼のそばに座った。
彼はふうと一息をついてから、話し出した。
ク「予想を言いますね。校長室でセブルスと新任のDADA教師の対面に出くわした」
『千里眼なの？』
クィリナスはふっと笑った。一方で、私は呻き声を出す。
『……私、ルーピン先生とどれくらい仲良く出来ると思う？』
ク「セブルスとの仲の良さと反比例して、ですね」
ですよね。
私はため息をついた。
私がルーピン先生と仲良くしたら、セブルス教授は裏切られたとか、そういう風に感じるんじゃないだろうか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1132人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あんず - 初めまして。私もスネイプ大好きです！仕事の合間にニマニマしながら見てます(笑)素敵過ぎる作品に感謝です！これからも頑張ってください！！ (7月4日 21時) (
レス) @page8 id: a382905644 (このIDを非表示/違反報告)
あんず - 初めまして (7月4日 21時) (レス) @page8 id: a382905644 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっきー - すっごく面白くて、続きが気になって、ここまで一気に読みました！寝不足です笑 この先もすごく気になるし、どんな結末を迎えるのかワクワクしながら読み進めますね！これからも楽しみにしてます！私もセブルス大好きです！素敵な作品をありがとうございます！ (2022年4月5日 23時) (レス) id: 6477d40512 (このIDを非表示/違反報告)
ミキ(プロフ) - はじめまして。とらんとぬふのページで思わず泣いてしまいました…笑 占ツクで泣いてしまうなんてと思ったけど、本当に心動かされました。この小説に出会えて良かったです。スネイプ先生への愛が増しました笑 心からありがとう！！ (2019年9月19日 14時) (レス) id: 1e7e266fc1 (このIDを非表示/違反報告)
ユーレイ(プロフ) - 第一部隊さん» とっっっても嬉しいです！笑 頑張ります！！！ (2017年12月30日 23時) (レス) id: 19fb53cdaa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：O
| 作成日時：2017年10月7日 16時
