trente-cinq ページ36
シリウスと接触しようと思ってたのに…
クィリナスはそれを察したのか、私の肩に手をやった。
ク「仕方ないですよ。何かあったんでしょう？」
耳元でこっそり言われて、私は諦めて微笑んだ。
私達が隅に寝袋を持って行って入ると、既に多くの生徒がシリウスについて話していた。
姿あらわしだとか、飛んできただとか話す皆をハーマイオニーが一刀両断している。
暫くそれを横目にしていると、ハリーが私にそっと言った。
ハリー「気にしなくていいよ」
『え？』
ハリー「スネイプなんかのこと」
やっぱり、ハリーにも聞こえてたんだ。私は目を見開いて、それからゆっくり細めて微笑んだ。
『ありがとう。…でも、元はと言えば私が悪いから』
ハリーは「それにしても言いすぎだ」と言った。ふと隣を見ると、クィリナスが「やはりセブルスだったんですね」とでも言いたげな表情をしている。
それに苦笑していると、丁度セブルス教授が通りがかって、私は慌てて目を瞑った。
校長と何やら話している。私は黙って聞き耳を立てた。
ダ「Aは元気にしとるかの？」
予想外の話で、私まで声を上げそうになった。教授の小さく呻くような声が聞こえる。
セ「───我輩の知るところではありませんな」
彼はそう言い放った。
それと同時に、クィリナスが閉じていた目を開けた。
ク「何を言われたんです？」
私は眉を下げた。
『私が悪いんだよ。勝手に教授の過去に言及しちゃったからさ……過去のない者が、私の過去を語るなって怒られちゃった』
ははは、と軽く笑うと彼は眉を顰めた。
ク「平気な顔をするつもりですか」
私は瞬きをひとつして、視線を落とした。
『いや……暫く教授に関わるのはやめにしようと思ってる』
それが懸命ですね、とクィリナスが答える。
私は暫く黙ってから口を開いた。
『ひとつお願いがある』
ク「何なりと」
クィリナスの返事に、いつかの教授がふと蘇る。私は堪えきれない笑みを漏らしつつ言った。
『シリウスと接触してほしいの』
途端にクィリナスは声を上げそうになって、慌てて口元を抑えた。
ク「……ブラックと？」
私は静かに頷いた。
『何か───パンとか、食料を持っていくだけでいいから。とりあえず、なにかに理由をつけて繋がりを作っておきたい』
ク「何が目的です？」
私は口角を少しあげて「色々」とだけ言った。
クィリナスは相変わらずだとため息をついたが、それはいつもの了承の合図だ。
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あんず - 初めまして。私もスネイプ大好きです！仕事の合間にニマニマしながら見てます(笑)素敵過ぎる作品に感謝です！これからも頑張ってください！！ (7月4日 21時) (
レス) @page8 id: a382905644 (このIDを非表示/違反報告)
あんず - 初めまして (7月4日 21時) (レス) @page8 id: a382905644 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっきー - すっごく面白くて、続きが気になって、ここまで一気に読みました！寝不足です笑 この先もすごく気になるし、どんな結末を迎えるのかワクワクしながら読み進めますね！これからも楽しみにしてます！私もセブルス大好きです！素敵な作品をありがとうございます！ (2022年4月5日 23時) (レス) id: 6477d40512 (このIDを非表示/違反報告)
ミキ(プロフ) - はじめまして。とらんとぬふのページで思わず泣いてしまいました…笑 占ツクで泣いてしまうなんてと思ったけど、本当に心動かされました。この小説に出会えて良かったです。スネイプ先生への愛が増しました笑 心からありがとう！！ (2019年9月19日 14時) (レス) id: 1e7e266fc1 (このIDを非表示/違反報告)
ユーレイ(プロフ) - 第一部隊さん» とっっっても嬉しいです！笑 頑張ります！！！ (2017年12月30日 23時) (レス) id: 19fb53cdaa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：O
| 作成日時：2017年10月7日 16時
