vingt-cinq ページ26
セ「それから、ルシウスにもこの話が回っているらしい。詳しく教えろと連絡が来た」
『だからわざわざ医務室まで足を運んでくれたわけですか』
私は苦笑した。
『本当のことを言えば、ドラコが悪いんですよ？』
セ「だろうな」
教授はあっけらかんと言うので、私は拍子抜けした。
セ「お前がヘマをやらかすとは思えん」
『それは───ありがとうございます』
私は少し笑って首を傾けた。
『心配してくれてもいいんですよ？』
私が冗談まじりに言うと、彼はじっと私を見た。
だが私が見つめ返すと、彼は平生通りふいと目をそらして行ってしまった。
───────────────
木曜日の魔法薬学の日、私はパンジーの隣に座っていた。パンジーの向こうにはドラコが座っている。
パンジー「A、酷く痛むの？」
『そうでもないよ、大丈夫』
ド「Aはハグリッドを庇っているのさ。無駄に優しいからね？」
ドラコは少し毒づいた口調で、私は肩を竦めた。
ド「先生！Aは腕が動かせないらしいです！」
そんな私を無視して、ドラコが声を上げた。私は慌てて立ち上がった。
『ドラコ！』
セ「ウィーズリー。Aの雛菊の根を切ってやりたまえ」
教授はこちらを見向きもせずに言った。
『教授、ですが私は───』
セ「ご好意に甘えたらどうだね？」
彼は意地悪く微笑んでいる。私がさらに言い返そうとすると、目の前に置いてあった雛菊がすっと横にずれた。
ロンだ。
ロ「いいさ、これくらい。どちらにせよAは腕を動かさない方がいいだろう？」
私はよろよろと椅子に座った。
『本当にごめん…ありがとう』
私が座ったのを確認してから、ドラコが話し始めた。
ド「ハグリッドはもう長くないだろうね。本当に残念だ」
みえみえの悲しい口調だった。私は彼に呆れた目を向けて、頬杖をついた。
ロ「いい気になるなよ」
『ドラコがルシウスさんに報告したんだな？』
私は左手にはめてある指輪をそっと撫でた。
ド「父上には力があるからね」
ハリー「ハグリッドを辞めさせるためにAを庇っている“ふり”をしていたんだろ！」
ハリーは怒りで手元が狂っている。
私はそれを宥めながらドラコを向き直った。
すると、彼は憎そうな目でハリーを見ていた。
その瞬間、彼の態度がやっと腑に落ちた。
ドラコはきっと本気で私を心配してくれている。ただ、そのやり方を間違えているだけだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1132人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あんず - 初めまして。私もスネイプ大好きです！仕事の合間にニマニマしながら見てます(笑)素敵過ぎる作品に感謝です！これからも頑張ってください！！ (7月4日 21時) (
レス) @page8 id: a382905644 (このIDを非表示/違反報告)
あんず - 初めまして (7月4日 21時) (レス) @page8 id: a382905644 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっきー - すっごく面白くて、続きが気になって、ここまで一気に読みました！寝不足です笑 この先もすごく気になるし、どんな結末を迎えるのかワクワクしながら読み進めますね！これからも楽しみにしてます！私もセブルス大好きです！素敵な作品をありがとうございます！ (2022年4月5日 23時) (レス) id: 6477d40512 (このIDを非表示/違反報告)
ミキ(プロフ) - はじめまして。とらんとぬふのページで思わず泣いてしまいました…笑 占ツクで泣いてしまうなんてと思ったけど、本当に心動かされました。この小説に出会えて良かったです。スネイプ先生への愛が増しました笑 心からありがとう！！ (2019年9月19日 14時) (レス) id: 1e7e266fc1 (このIDを非表示/違反報告)
ユーレイ(プロフ) - 第一部隊さん» とっっっても嬉しいです！笑 頑張ります！！！ (2017年12月30日 23時) (レス) id: 19fb53cdaa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：O
| 作成日時：2017年10月7日 16時
