seize ページ17
彼がこれみよがしに深く息を吐いたと同時に、ふっと明かりが消えた。
ロ「うわっ！一体なんだ…？」
ハー「私、運転手にどうしたのか聞いてくるわ」
私はハーマイオニーの腕を掴んだ。
『動かないで』
有無も言わさぬ物言いに、彼女がびくっと動きを止める。
ル「静かに」
突然の掠れた声に、コパートメントの中が一斉に静かになった。ルーピン先生がついに目を覚ましたのだ。
私はそれを確認して、すぐに杖で火を作り、手の上に灯した。
『おはようございます、ルーピン先生』
私が微笑みながら言うと、彼は少し笑った。ブルーの瞳だけはあたりを警戒するように動いている。
ル「A、その火は灯し続けておいてくれないか」
『了解です』
私は隣にハリーがいるのを確認しながら言った。
ル「ありがとう。他の皆は、動かないで」
ルーピン先生はそう言うと、席を立ってドアの方へ向かった。…が、それより先に奴らは現れた。
ディメンターだ。
来るとわかっていても、怖いものは怖い。それは、まるで恐怖そのものだった。
黒いマントからは水死体のような手が覗き、瘡蓋に覆われ───
体が動かない。ディメンターはハリーの視線に気づいたかのように身をかがめ、彼の幸福を吸い込んだ。
守らなきゃ、守らなきゃ、守らなきゃ！
私は無理やり体を動かし、失神したハリーをディメンターから庇うように抱きとめた。
ディメンターの顔が近づいてくる。
ああ、私も吸い取られる────
私はたまらずに、ぎゅっと目を瞑った。
しかし、それは起こらなかった。
私がきょとんとしているうちに、ルーピン先生がディメンターを追い払った。
車内に明かりが戻る。
ハリーが目を覚ます。
私はそれを、まるでスクリーンを眺めている時のようにぼんやりと眺めていた。
私、なんでディメンターが平気だったんだろう。あれ？何で───
そして突然、その答えが私の頭を殴った。
それは、この世界に私が“A･スリザリン”として存在しているからだ。
つまり、私にはホグワーツ前の過去がない。
当たり前だろう。別の世界にいたのだから。
吸い取るものがないということこそが、私がディメンターの前て“平気”でいられる理由。
私は呆然とした。ショック状態と言った方が正しかった。
避けることは出来ない皆とのこの違いに、私は過ぎた2年間、目を瞑り続けてきたのだ。
ル「───A？大丈夫かい？」
『あっ…はい』
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あんず - 初めまして。私もスネイプ大好きです！仕事の合間にニマニマしながら見てます(笑)素敵過ぎる作品に感謝です！これからも頑張ってください！！ (7月4日 21時) (
レス) @page8 id: a382905644 (このIDを非表示/違反報告)
あんず - 初めまして (7月4日 21時) (レス) @page8 id: a382905644 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっきー - すっごく面白くて、続きが気になって、ここまで一気に読みました！寝不足です笑 この先もすごく気になるし、どんな結末を迎えるのかワクワクしながら読み進めますね！これからも楽しみにしてます！私もセブルス大好きです！素敵な作品をありがとうございます！ (2022年4月5日 23時) (レス) id: 6477d40512 (このIDを非表示/違反報告)
ミキ(プロフ) - はじめまして。とらんとぬふのページで思わず泣いてしまいました…笑 占ツクで泣いてしまうなんてと思ったけど、本当に心動かされました。この小説に出会えて良かったです。スネイプ先生への愛が増しました笑 心からありがとう！！ (2019年9月19日 14時) (レス) id: 1e7e266fc1 (このIDを非表示/違反報告)
ユーレイ(プロフ) - 第一部隊さん» とっっっても嬉しいです！笑 頑張ります！！！ (2017年12月30日 23時) (レス) id: 19fb53cdaa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：O
| 作成日時：2017年10月7日 16時
