rokuju-roku ページ17
その日は1日中私の部屋で過ごした。だって、腫れた目でパーティーに行くわけにもいかない。だから、夕食も食べずに寝支度を済ませ、ベッドに入った。
翌日目を覚まし、顔を洗おうと外へ出ようとすると、外側のドアノブに何かがぶら下がっているのに気がついた。
何かの包みだ。眉を寄せて几帳面に畳まれた用紙を広げると、裏側に見慣れた細長い文字があった。
『�狄�事くらい摂れ�瓠帖帖�
ク「ああ、プレゼントですか」
突然後ろから寝起きの掠れた声がして、私はバチンと自分の耳に手を当てて飛び退いた。
『ビックリした……いつの間に！』
ク「昨日の深夜です」
『そうじゃなくて、あなたのことを……え？ まさか教授が？ 深夜に？』
ク「だからそう言ってるでしょう。私も音を聞いただけですが」
クィリナスは大きなあくびをひとつした。何気に彼も私と同じく朝は苦手らしい。
ク「彼の気持ちを代弁しましょう──部屋に入ってわざわざ貴女の世話を焼くのは癪だが、かといって貴女の体調が崩れるのも自分の面目が丸つぶれ」
『そんなこったろうと思った』
そう言いつつも、私の口元は既に緩みきっていた。
『このクリスマスプレゼントも、きっと私におちょくられたせいだよ』
にやにやと笑いながら、薄紙を捲った。
中からは──真っ黒でざらざらとした質感の革製の杖入れ。地下の光を薄暗く反射している。腰に括り付けるタイプのものだ。
まさにラミアーの名に打って付け。だけど私の口元はひくついていた。
『あﾞ……』
ク「何かありました？」
喜ばないなんて、貴女らしくもない。……クィリナスはそう言って、後ろからそのプレゼントを覗き込んだ。そして、それを見るなり腹を抱えて笑い出した。
ク「あなたが送ったものとまったく一緒じゃないですか！」
『……時間を巻き戻したい』
私は口をぴくぴくと痙攣させながら言った。
『だって、決闘の時……』
ク「彼も同時に貴女が持っていないのを見たんでしょうね」
クィリナスは楽しそうだ。つまり、他人事ってヤツ。
私は「うわーーっ！」と叫んで、頭をかきむしった。
ク「でも、彼は満更でもないということですよ。だって彼は既に貴女のプレゼントを見ていたはずですから」
『これは�爐燭世陵汁朖瓩世韻鼻△修譴發錣兇錣脅�分が気にすることのほどでもないっていう彼のプライドじゃないかね？』
ものまね混じりにわざとらしく掌を上へ向けると、クィリナスは大袈裟にくいっと眉を上げた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 827人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒金黒金(プロフ) - わーーーーめっちゃ面白かったです！！ (2022年5月30日 14時) (
レス) @page13 id: cd86d9f02f (このIDを非表示/違反報告)
ユーレイ(プロフ) - まちなか有栖さん» うわ〜〜良かったです！笑、私もまちなかさんのコメントいっつも嬉しいです…… (2017年10月7日 16時) (レス) id: 19fb53cdaa (このIDを非表示/違反報告)
まちなか有栖(プロフ) - そんなことはないですwレスが来るたびに嬉しくって嬉しくってw更新頑張ってください!!! (2017年10月5日 19時) (レス) id: 7a9cf76150 (このIDを非表示/違反報告)
ユーレイ(プロフ) - まちなか有栖さん» いや！私こそいちいち返信して迷惑かなと思ってました…笑、まちなかさんのコメントとっても嬉しいので大丈夫ですよ笑 (2017年10月5日 8時) (レス) id: 19fb53cdaa (このIDを非表示/違反報告)
まちなか有栖(プロフ) - もう感想送りすぎて迷惑じゃないかと思っているこの頃ですww更新お疲れ様です!!話したいことが気になりますね...。更新頑張ってください!! (2017年10月4日 15時) (レス) id: 7a9cf76150 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：O
| 作成日時：2017年7月20日 19時
