３． ページ3
電話を切ってドアを開けると、しにちゃんとノアが立ってた。
krn「おはようございます、A様。」
sg「お、おはようございます！」
『おはよ。全員会議室いくようにしてもらえる？』
krn「了解です。すぐに伝えてまいります。」
ノアは颯爽と廊下の奥へと消えてゆき、しにちゃんが残された。
sg「あ、あの、ご主人様＿」
『A。』
sg「あ、A様、」
『様もいいよ。堅苦しい。』
sg「……A…？」
『うん。』
しにちゃんは困った顔で言う。
まぁ、立場上仕方ないんだけど、二人っきりの時ぐらい呼び捨てしてほしいわ。
ぺんちゃんに関してはみんなの目の前でも堂々と呼び捨てしてるしなぁ…。
sg「あの、あの空は…一体、」
『さぁね。今、きっとトラとぺんちゃんが調べに行ってるし、限界も尽力してるだろうから。安心して、しにちゃんは危険になることはないから。』
sg「…………あ、あの……僕も…僕も、力に、みんなの力に、なりたいです…！」
しにちゃんの意外な一言。
でも、いつか言われると分かっていた一言。
そう、分かっていた。
しにちゃんはみんなより力も体も弱く小さくて、ノアやトラに守られて生きてきた。
そんなしにちゃんだからこそ、みんなに恩返しを、そしてみんなにとって頼もしい存在になりたいと、そう望んでいるんだろう。
はて、しにちゃんがみんなの力になるには、何をすべきだろうか？
『………そっか。分かった。でも、今はとりあえず会議室に行っててほしい。今度また話そう』
少し冷たいかもしれないけれど、今は世界が危機に陥っている可能性もある状況だ。
きっとしにちゃんも理解してくれるはず。
sg「す、すみません…」
『何も、謝ることじゃない。俺はそう言ってくれて嬉しい。さ、行きな。』
しにちゃんは小さくうなずいて、速足で会議室の方へと向かっていった。
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作者名：オロン | 作成日時：2022年11月11日 0時
