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55話 ページ7

留三郎side




伊「留三郎、医務室に入っていいよ。」





そう呼び出され、医務室に向かう。





伊「きっとすぐに目を覚ますよ。大丈夫。」





俺は静かに眠るAの傍によった。




気を利かせた伊作はそっと医務室を出る。






俺は昼間にやっていたようにAの手を握り、呟いた。





留「…頼む…俺を置いて逝かないでくれ…!」




涙が頬を伝う。





こんなに泣いたのはいつぶりだろう。





留「俺はお前がいないと何もできない…頼むから…戻ってきてくれ…」





そんな願いが届いたのか、





あ「ん…」






Aは目を覚ました。






あ「…留三郎?」





留「…A!よかった!本当に!」






俺は子供のように彼女に泣きついた。





しかし、彼女は首を傾げる。





あ「どうして泣いてるの?」





留「…だって、深刻な病気なんだろう?」






あ「え?」






留「え?」





あ「私、貧血で倒れただけなんだけど…」





貧血




彼女は確かにそういった。





留「俺の…勘違いなのか?」






あ「うん、薬の件も、その…せ、生理で…恥ずかしくて言えなかったんだ…」





留「そ、そうなのか。今度からは恥ずかしがらずに俺を頼ってくれていいんだからな?」






あ「…ありがと。」





伊「さっきの留三郎ったら…」





あ「何か言ってたの?」






留「伊作!それを言うなー!!!」






伊「あははっ!留三郎の弱みが一つ握れたよ!」





こうして留三郎の勘違いは幕を閉じたとさ。

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作者名:たうふ★ | 作成日時:2022年5月15日 19時

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