八 ページ10
「…え…」
無事に定期テストを終え、今日は待ちに待ったテスト返却日。
古典にミスはないはず。
英語だって結構頑張った方だ。
私の心中は、期待と自信に溢れていた。
…なのに、
「古典…92点…」
「お前は本当に学ばねーな。古典を解く時は、“ふ”とか“ひ”とかに気をつけろって言っただろ。あと、漢字ももう少し重視した方がいいぞ」
「そ、んな…」
「あ、でも英語は89点で学年2位だぞ。よかったな、」
銀時先生はそう言って励ましてくれているのだろうが、私は今絶望のどん底に叩き落とされていて、それどころではない。
毎日必死に勉強したのに、満点どころか前回を下回る点数をとってしまうなんて…
「死にたい…」
「じゃ、また明日から古典の補修再開な」
「……あい」
努力しても報われないとはまさにこのこと。
応用問題ばかりやっていたから、基礎が抜けていたんだろう。
ああ、本当…何やってるんだろう。
明日は基礎からを叩き込む!
その決意を胸に、私は新古今和歌集を開いた。
「おい、今テスト返却中だぞ〜」
没収された。
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作者名:沖宮あやめ | 作成日時:2017年1月14日 20時