泳げない僕は夢を見る

3 ページ5

.









薬を飲んでから数分後。
やっと少し楽になってきた･･･。

｢あ、ありがとうございました･･･。
えっと、後日お礼がしたいので･･･、お名前･･･訊いても良い、ですか･･･？｣

その間、ずっと傍にいてくれた人たちにお礼を言う。
･･･よく見たら･･･緑のネクタイだから先輩だ。
確か、背の高い方の人は、水泳部の部長さん･･･だったかな･･･？
よく葉月くんと竜ヶ崎くんといる･･･。

｢え、お礼なんていいよ！
それより、体調はもう大丈夫？｣
｢あ、えと･･･はい。大丈夫･･･です｣
｢そっか。でも、念のため保健室に行こうか。歩ける？｣
｢あ、歩け･･･ます｣

そう言って立ち上がろうとした時。
まだ足に力が入らなくて、道路に座ってしまった。
これ以上迷惑をかけたくないから必死に立とうとするけど、やっぱり立てない。
うぅ･･･情けない･･･。

｢あ、あの、少し休めば大丈夫なので･･･先に━━━｣
｢･･･ちょっとごめんね｣
｢･･･え？ひゃあっ！｣

うわ、変な声出た･･･///
すっごい恥ずかしい･･･///

えっと、現状を説明すると。


･･･背の高い先輩に･･･お姫様抱っこ･･･されてます･･･。


高校生にもなって･･･、しかも、男なのにお姫様抱っこされるなんて夢にも思わなかった･･･。
すっごい恥ずかしい･･･///

｢ハル、ごめんこの子のリュック持ってあげて｣
｢わかった｣

荷物も持ってもらうとか申し訳なさ過ぎる･･･！
どうにかして降ろしてもらいたい･･･。

｢えっと、あの、大丈夫です！少ししたら歩けるので･･･｣
｢だーめ！それでもしまた倒れたら困るでしょ？｣

うぅ･･･正論だから言い返せない･･･。





･･･こうして、保健室まで連れていかれました･･･。
すっごい恥ずかしい･･･///

4 #真琴side→←2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す