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さんじゅーきゅう。 ページ41

Aside




薄暗い埃っぽい所で目が覚めた。
頭がぼーっとして、ずきずき痛む。

あれ…?私なんでこんなところで寝てるの…?

起き上がろうとすると、手足をそれぞれ縄で拘束されていることに気がついた。
素肌に触れる縄が擦れて手首が痛い。



「お目覚めですか、Aセンパイ?」



男の人の声がした方を見上げると、薄暗い中でこちらを見下ろして立っている生徒3人組が見えた。

制服姿ではあるが、薄暗い中では目が利かずにどこの寮生かは判別がつかなかった。
私のことを先輩、と呼ぶ彼らは、恐らく一年生なのだろう。

声音から、彼らがニヤニヤしているのが想像できて、不快感に襲われた。



『…何なの、貴方たち…』

「怖い顔しないで下さいよ、先輩」

「俺らちょーっとA先輩に興味があって」

『何が目的なのっ…!?』



声を荒げた所で、鐘の音がなった。
授業開始なのか終了なのか、予鈴なのか分からないが。



「…あんまり教室にいないと不審がられるんで、戻りますね。また放課後にでも来るんで…イイ子で待っててくださいよ?」

「ちなみに防音魔法張ってるんで、騒いでも無駄です」



男子生徒の一人に頬を撫でられて、悪寒がした。
ギギ…と重たい音がして扉が開いたが、中から見えた外の風景は目印も何もなく、自分がどこにいるのか分からなかった。

しん、と静まり返り、薄暗く埃っぽいこの空間に、思い出したくもない記憶が甦る気がした。



…怖い。




そう一度感じてしまえば、どんどん気持ちが溢れてくる。
泣いたら負けな気がして、抑えようとしたけど、やはり恐怖に襲われて視界が歪んでしまう。

それでも助けて、と叫ばなかったのは、あの一年生達の言葉を鵜呑みにしたわけじゃなかった。



またラギーに心配かけちゃうな。
レオナ先輩に怒られちゃうかな。
クルーウェル先生に呆れられちゃうかな。



…自分の身一つ守れない私に、皆愛想尽かしちゃうかな。

私、いつもいつも守ってもらってばっかりだ。




そんな考えが浮かんできて、助けて、なんて叫べなかった。
皆に愛想尽かされたくない、嫌われたくない。

ユウちゃんには、私愛されてますって顔しておいて牽制したのに、ここ最近は色々なことがありすぎて自信がなくなっていた。



この薄暗い空間に染まるように、私の心の中には弱気な考えばかりが浮かんできては消え、浮かんできては消えを繰り返していた。

よんじゅう。→←さんじゅーはち。



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青藍(プロフ) - 最初は国の王女だったと思うんですけど途中から女王になっているのは何故ですか?どちらが正しいのでしょうか、見間違いだったらすみません (2022年5月21日 1時) (レス) @page50 id: 2e61a566e8 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 8ページ 本当の彼女自信 自信 ではなく 自身 ではないでしょうか? (2021年2月15日 23時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
萌葱(プロフ) - みるさん» そうですね笑笑 (2020年10月26日 16時) (レス) id: aca7e42382 (このIDを非表示/違反報告)
みる(プロフ) - 乃亜さん» 処刑までのカウントダウン始まりました笑 (2020年10月26日 14時) (レス) id: c52392d14b (このIDを非表示/違反報告)
みる(プロフ) - イヴさん» 果たして監督生はどうして情報をもってるのか…続編でお待ちしてます!! (2020年10月26日 14時) (レス) id: c52392d14b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みる | 作成日時:2020年10月16日 1時

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