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にじゅーなな。 ページ29

「本当に昨日か?」

「だよな?ユウ…」

「そう…っ、昨日の放課後…っ!」



あー…。

ユウちゃんの言葉に、ケイト先輩とトレイ先輩が顔を見合わせる。
そして、ちょっと怖い顔をしてユウちゃんの方へ向き直った。



「ねえ、Aちゃん昨日は学校来てないの知ってる?」

「え…?」

「Aは体調崩してここ数日休んでたんだよ」



その言葉にエース君とデュース君はきょとん顔。
学年が違う為に知らなかった様子のユウちゃんは、目を見開いて言葉を失っている。



「お、おいユウ、どういうことだ?」

「嘘だったのか…?」



戸惑うお友達からも責めるように聞かれ、ユウちゃんはキッ、と私を睨んでいる。



「先輩、昨日抜け出して来たんですよ…っ!?なんで認めて謝ってくれないんですかっ…!!」

『ええ…?』

「はあ…もういいです…っ行こう、二人とも!」



何だか嵐のように。
エース君デュース君は、ユウちゃんに半ば引き摺られるように去っていった。
私をかばうように前に立っていてくれた先輩達は、くるりと振り返って、溜め息をついた。



「何なんだあれは…」

「Aちゃん大丈夫?怖かったでしょ?」

『あ、いえ…庇ってくれてありがとうございました…!』

「でもさー、何であんなにAちゃん虐めるんだろうね」



ケイト先輩に言われて、思い浮かぶのは初めてユウちゃんと会った日のこと。
最初から嫌われてたみたいだけど、絶対あれが決め手だ。



『…色々あって、愛されてて何がいけないの?って言ったんです』



二人は一瞬ぽかん、としたあと、吹き出すように笑った。
あ、レオナ先輩と同じような反応だ。



「ほんと、お前ってやつは…」

「Aちゃんて、顔に似合わず結構言うよねー!」

『…だって、散々言われっぱなしでちょっとだけ悔しかったから』



わざと不貞腐れたようにそっぽを向くと、二人から頭を撫でくり回された。



「Aちゃんのそーゆーとこ、けーくんは良いと思うよ?」

「そうそう、ちゃんと言い返せて偉いなーA」

『もう、笑いすぎです…!!』



散々笑った挙げ句、ごめんごめん、と謝る先輩二人。
また絡まれたら大変だから、と教室まで送り届けてくれた。

にじゅーはち。→←にじゅーろく。



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青藍(プロフ) - 最初は国の王女だったと思うんですけど途中から女王になっているのは何故ですか?どちらが正しいのでしょうか、見間違いだったらすみません (2022年5月21日 1時) (レス) @page50 id: 2e61a566e8 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 8ページ 本当の彼女自信 自信 ではなく 自身 ではないでしょうか? (2021年2月15日 23時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
萌葱(プロフ) - みるさん» そうですね笑笑 (2020年10月26日 16時) (レス) id: aca7e42382 (このIDを非表示/違反報告)
みる(プロフ) - 乃亜さん» 処刑までのカウントダウン始まりました笑 (2020年10月26日 14時) (レス) id: c52392d14b (このIDを非表示/違反報告)
みる(プロフ) - イヴさん» 果たして監督生はどうして情報をもってるのか…続編でお待ちしてます!! (2020年10月26日 14時) (レス) id: c52392d14b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みる | 作成日時:2020年10月16日 1時

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