にじゅーご。 ページ27
Aが眠ったのを確認したあと、そっと物音をたてないように離れ、シャワーを浴びて夕飯を軽く済ませた。
一応Aの分も、と考えはしたが、きっと食べられないだろうから、起きたら冷蔵庫の中のゼリーを渡してみることにした。
食べられるようだったら、その時作ればいい。
リビングで持ち帰った書類を片付けている時。
背後の、リビングと寝室を繋ぐ扉が開いたのに気がついた。
そこにいたAは、壁に寄りかかりようやっと立っていた。
「！？A、どうした？」
『せんせ、いなかった、から…っ』
すぐに近づいて、崩れ落ちそうな体を支える。
俺に寄りかかってきたAは、くすん、とまたもや半泣きだった。
…やはり寝ている間に離れたのが不味かったか。
「すまないA、ベッドに戻ろう」
Aを抱き上げて、再びベッドに戻す。
また泣かれるのは堪えるから、毛布を持ってきてAの横の椅子で眠るか…。
『……』
ベッドに横たわったAは、毛布を出して椅子に座る俺を、不満そうに見ていた。
「なんだ？何か食うなら持ってきてやる
『いっしょに、寝てほしい…』
………は？」
数秒、固まってしまった。
今この仔犬は何と言った？
とんでもない爆弾を落とした彼女は、今にも溢れてしまいそうにうるうると瞳を潤ませて、不安そうに見つめてくる。
その顔は熱に浮かされ赤みが差し、たまに唇から漏れる吐息は熱く、潤んだ瞳はとろんと蕩けている。
こんな状態の彼女の横にくっついて寝るなど、俺にとって拷問に近い。
一応俺とて名門校の教師だ。
もし万が一、なんて事があったら大問題になる。
「…Stayだ仔犬。隣にはいてやるから、いい子に寝ろ」
『な、んで…っ』
またまた泣き出してしまうA。
ダメだ、やだ、を何度も繰り返し、押し問答になった末…。
結局根負けしてしまったのは俺だった。
これ以上泣かせて体力を奪うわけにはいかない。
相手は病人だ。
体調を崩して弱っている病人を、いつもより少しだけ甘やかしてやっているだけであって、疚しいことは何一つない。
頭の中でひたすら理由付けをして、Aの横に潜り込む。
もぞもぞと動いて俺の胸元にすり寄ってきたA。
頼むから早く寝てくれ、とその背中をとん、とん、とゆったりした速さで軽く叩く。
呆気なく眠りに落ちた彼女の額に、これくらいさせてもらわないとわりに合わない、と軽くキスをして、邪な考えを振り切るため目を閉じた。
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青藍(プロフ) - 最初は国の王女だったと思うんですけど途中から女王になっているのは何故ですか？どちらが正しいのでしょうか、見間違いだったらすみません (2022年5月21日 1時) (
レス) @page50 id: 2e61a566e8 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 8ページ 本当の彼女自信 自信 ではなく 自身 ではないでしょうか？ (2021年2月15日 23時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
萌葱(プロフ) - みるさん» そうですね笑笑 (2020年10月26日 16時) (レス) id: aca7e42382 (このIDを非表示/違反報告)
みる(プロフ) - 乃亜さん» 処刑までのカウントダウン始まりました笑 (2020年10月26日 14時) (レス) id: c52392d14b (このIDを非表示/違反報告)
みる(プロフ) - イヴさん» 果たして監督生はどうして情報をもってるのか…続編でお待ちしてます！！ (2020年10月26日 14時) (レス) id: c52392d14b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みる
| 作成日時：2020年10月16日 1時
