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にじゅーさん。 ページ25

ラギーside




「いた…!クルーウェル先生!」



レオナさんの連絡を受けて、1Aやら職員室やら探し回った末に見つけたクルーウェル先生は、魔法薬学室の奥の準備室で煙草を吸っていた。
騒々しいぞ、と横目で俺を見ても、尚煙草の火は着いたまま。



「何だブッチ。早く主人の所へ行った方がいいんじゃないか?」

「その主人からの命令っス…。Aが体調崩して、レオナさんとこにいるから、クルーウェル先生を迎えに寄越せって」



話を聞くなり少し驚いて、煙草の火を消すクルーウェル先生。


この人も案外分かりやすいなー…



「仕事を片付けてすぐに行く、とキングスカラーに伝えろ。あまりに辛そうだったら部屋に運んでやってくれ」

「っス」



さっきまでのんびり一服していたのとはうって変わって、座って書類を片付け始めた。
俺も先生の伝言を聞いて、植物園へ向かった。









「クルーウェルは?」

「仕事片付けたらすぐ来るっつってましたよ」



レオナさんの所へ行くと、Aはまだレオナさんに抱かれたまま、傍らにおいてあるAの昼飯は手付かずのようだった。

近寄って顔色を見るべく覗き込んでみると、赤くなった顔はそのまま変わらず、昼時より呼吸が荒くなっているようだった。



「あらら、結構しんどそうっスね…。クルーウェル先生があんまり辛そうだったら部屋に運べって」

「…じきにクルーウェルが来るっつーんなら、このままの方が良いだろ」

「レオナさん、…Aを渡したくないのバレバレっスよ」



自分でクルーウェル先生呼んだのに。
この人も中々にAにご執心だと思う。

おでこに貼り付いたAの前髪を、そっと払うレオナさんの顔は、普段じゃ想像つかないくらい優しい。



「ほら。来たんじゃないっスか?先生」

「…チッ」

「待たせたな。Aの様子は?」



いつものコートを翻し、やって来たクルーウェル先生。
レオナさんの舌打ちは聞こえてなかったのか、はたまた気にもしてないのか。


それにしても、来るのめちゃくちゃ早いな。
別れてから20分程だろうか。


Aの元にしゃがみこみ、手袋を外した手の甲でAのおでこや首元に触れながら問われた。




「熱は確実に昼間より上がってる。昼は食ってねェ」

「そうか。…渡せ」



不服そうにクルーウェル先生にAを渡すレオナさん。
ご苦労だったな、と足早に植物園から先生は去っていった。





ーーーー

クル先は絶対喫煙者(願望)

にじゅーよん。→←にじゅーに。



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青藍(プロフ) - 最初は国の王女だったと思うんですけど途中から女王になっているのは何故ですか?どちらが正しいのでしょうか、見間違いだったらすみません (2022年5月21日 1時) (レス) @page50 id: 2e61a566e8 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 8ページ 本当の彼女自信 自信 ではなく 自身 ではないでしょうか? (2021年2月15日 23時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
萌葱(プロフ) - みるさん» そうですね笑笑 (2020年10月26日 16時) (レス) id: aca7e42382 (このIDを非表示/違反報告)
みる(プロフ) - 乃亜さん» 処刑までのカウントダウン始まりました笑 (2020年10月26日 14時) (レス) id: c52392d14b (このIDを非表示/違反報告)
みる(プロフ) - イヴさん» 果たして監督生はどうして情報をもってるのか…続編でお待ちしてます!! (2020年10月26日 14時) (レス) id: c52392d14b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みる | 作成日時:2020年10月16日 1時

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