検索窓
今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:8,230 hit

ページ5

少し冷たい体に、シャワーの熱が心地いい。

しゅわしゅわとシャンプーを泡立てて、髪の毛を洗う。

りんごの香りが広がった。

リンスもボディーソープも石鹸も、シャンプーと同じで、姉さんと花梨からの贈り物だ。


りんごが好きな私のために全部りんごの香りにしたらしい。少しやり過ぎな気がしないでもないけど……。


お風呂に入ってる時は思い出せる…あの2人と過ごせた楽しかった日々を…。


忘れちゃいけない、あの時のことを……。


私がもっとちゃんとしていれば、あんなことにはならなかったかもしれないのに……。私があの2人の優しさに甘えてばかりいたから。


…ううん。江戸に来てからに限ったことじゃない。昔から私はわがままばかりで、人に迷惑をかけてばかりいる。


大切な人を傷つけて、もう戻れないところにまで追い込んでしまう。どうして気づいてあげられなかったんだろうって、今さら後悔してももう遅い。


誰にも頼らず、一人で生きて行けるようになりたい。そうすれば誰も…大切な人も傷つけずにすむから……。


本当にどうすればいいのか分からない……。私にできることはなんだろう……。


ポタっと、ほんのり温かい雫が床に落ちた。


_また泣いてる……。泣いちゃだめ。私がこんなだから、みんなに迷惑がかかる。泣いたところであの2人が戻ってくるわけじゃないんだから。


そう思っていても、溢れ出た涙はとどまることを知らずに流れる。


あれから何年も経ってるのに、私は何も成長してない。それどころか、退化していっているような気さえする。


私だけが過去に取り残されているような、そんな感覚……。


もうやめよ…。考えるのは……。

体を全部洗い終えると、湯船に浸かった。

水面に映る自分の顔を見て、無理やり笑顔に変えた。

無理やりでも、笑顔を作れるうちは大丈夫…。まだ頑張れるから……。

2人のお客さん→←橘屋



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (10 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
16人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 坂本辰馬 , もっさん   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

坂本雪奈(プロフ) - 大福(。-_-。)さん» 私も嬉しいです! (2018年12月24日 0時) (レス) id: 075208253c (このIDを非表示/違反報告)
大福(。-_-。)(プロフ) - 坂本雪奈さん» やはりそういうことですかね……!辰馬好きなんですね!周りに辰馬好きの人いないから、仲間がいて嬉しいです笑笑 (2018年12月24日 0時) (レス) id: 509ac84e45 (このIDを非表示/違反報告)
坂本雪奈(プロフ) - 多分、ようこそ推し尊いの世界へという事だと思います!私も辰馬大好きです! (2018年12月19日 16時) (レス) id: 0d84f3c92e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:大福(。-_-。) | 作成日時:2018年5月5日 8時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。