消えたページ ページ10
「本のページが消えてしまったのよ。」
そう言って有田先生は、私たちを振り返った。
紺色のスーツの胸元からのぞいている水玉のブラウスが可愛い。
でも若武たちは、もっと別のものを見ているみたいだった。
はぁ、いやらしいんだから…。
呆れていると、私たちの目の前に小さな雑誌が差し出された。
「ほらね。」
確かに、51と52、73と74、99と100のページの合計6ページがなくなっている。
「昨日見つけたの。」
「ちょっと見せてください。」
若武は、めいっぱい気取った調子で言って、その雑誌を受け取り、ザッと目を通した。
そしてそれを横にいた小塚くんに渡しながら、言った。
「小塚調査官。」
ふっっ、
調査官って…いきなりどうしたんよ。いつもそんなの言ったことないじゃん。カッコつけすぎ…。
私は、気取りまくっている若武が滑稽というか可笑しく思えて笑いそうになった。
必死で笑いをこらえていると、有田先生も私と同じように笑いをこらえて横を向いていた。
やっぱり、そうなるよね。
アーヤは、それが恥ずかしくてたまらなさそうにしていたけど、若武は、気にもしないで先を続けた。
「この6ページは、なぜ消えたんだと思う?君の見解を説明してくれ。」
小塚くんは、自分に向けられたその疑問になんとか答えようとして、雑誌をめくったり、閉じたりしていたけれども、やがてそれを奥のほうまでグイッと開いて言った。
「切り取られたんだ。見てよ。」
皆は、一斉に小塚くんの手元をのぞきこんだ。
私はたまたま見える位置にいるから、そのままの位置で本のノドを見た。
確かに、切り口はほとんど見えないくらいわずかに残り、綺麗にスパッとなっている。
「でも、そんなこと、できないはずよ。」
有田先生が言った。
「この図書室は、ご覧の通り、こんなに狭いでしょう。閲覧室もないし、私がいつもこのカウンターの中にいるんだから、見つからずにページを切るなんて、できっこないわ。帰るときには、カギをかけていくし。」
私は、グルッと図書室の中を見回した。
確かに、誰が何をしていても一目瞭然で見渡せる。
「有田先生が、ちょっと席を外したすきにすばやくやったってことは?」
黒木くんとの質問に、有田先生はキッパリと首を横に振った。
「席をはずすことなんて、ありません。」
上杉くんが、すかさず口をはさんだ。
「本当に?忘れてるってことは!?」
「ないわよ。」
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さまー(プロフ) - ユキさん» わかります!私も翼と忍楽しみです! (6月25日 20時) (レス) @page25 id: ad3984bf8f (このIDを非表示/違反報告)
さまー(プロフ) - 私も楽しみにしていますっ!できれば夢主のことがKZメンバーが好きになっているような場面がほしいです!これはアーヤの役目じゃ…?的な感じに!お願いできますか?? (6月25日 20時) (レス) id: ad3984bf8f (このIDを非表示/違反報告)
桜@ひなた - 続編も面白いですね!更新楽しみに待っているので頑張ってください! (2023年2月12日 17時) (レス) @page25 id: fb711c9d23 (このIDを非表示/違反報告)
ベルディグリ - ユキさん» ありがとうございますっ!(人*´∀`)。*゚+ (2022年4月17日 18時) (レス) @page9 id: b6251c6422 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - うわーめっちゃ好きです!翼が出てくるのを待っています!応援しています!!!! (2022年4月13日 7時) (レス) @page8 id: 8e64252870 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ベルディグリ | 作成日時:2022年4月2日 18時