布団は何でも包み込んでくれるもの ページ23
1週間ほどの時が過ぎ、特別クラスの1日前。
布団の中で温まっていると、黒木くんから電話がかかってきた。
のそりと起き上がりながら電話に出ると、いつも通りの落ち着いた声が耳に流れ込んできた。
「明日、普通クラスの特別ゼミの前に、時間とれる?」
「うん、とれるよ。」
「そ。じゃ、13時に池端8丁目の21の8に集合だ。」
「ん、わかった。…!……そこってもしかして、」
あっ…!と思うと、電話の向こうで黒木くんがクスッと笑った。
「Aの思っている通り、加藤行利の家の前だ。」
「…すごい。分かったんだ。」
「まあね。でも、まだあまり期待しない方がいい。同姓同名かもしれないし、誘拐の事実があるかどうかわからないから。
明日、それをはっきりさせる。」
やった、被害者の家に偵察しにいくんだ!
「わ、りょ、りょーかい、…あ」
…噛んだ。
久しぶりの野外活動に胸を躍らせていると、声がうわずってしまった。
だんだん恥ずかしくなってベットに倒れ込むと、スマホから黒木くんの笑い声が聞こえてきて、さらに顔が熱くなっていく。
やば、暑い。
すぐにベットから起き上がり、窓を開けて空気を入れかえる。
ほてった身体に冷たい風が心地いい。
「嬉しそうだね。そんなに楽しみにしていたの?」
うっ……な、なんて答えよう。
なるべくあんまり聞かれないように早口で…なにか早口で言って切り抜けないと。
「う、ま、まぁ。最近こういうスリルがなかったし、それに、みんなに会えるの久しぶりだし…。」
……。
うわわ、いったい何をしているの私の口はっ!
ほら、黒木くんが黙っちゃったじゃん…!
「俺に会いたかったの?姫。」
う……。恥ずかしい、聞かないでスルーしてほしかった。
「え、えと…まぁ……うん、そう。」
早く終われと思いながら返事をすると、黒木くんがいつもより少し低い声で私に注意するように言った。
「それ、ほかの人に言っちゃダメだからね。」
「うん、言えないよ、こんな恥ずかしいのに…。」
「そ。ならいいけど。」
「……じゃ、じゃあね!」
気まずくなってすぐに電話を切ったあと、誰にも見られていないのに隠れたくなって、すっぽりと布団の中にもぐりこんだ。
もうやだ恥ずかしい。
……寝られない。
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さまー(プロフ) - ユキさん» わかります!私も翼と忍楽しみです! (6月25日 20時) (レス) @page25 id: ad3984bf8f (このIDを非表示/違反報告)
さまー(プロフ) - 私も楽しみにしていますっ!できれば夢主のことがKZメンバーが好きになっているような場面がほしいです!これはアーヤの役目じゃ…?的な感じに!お願いできますか?? (6月25日 20時) (レス) id: ad3984bf8f (このIDを非表示/違反報告)
桜@ひなた - 続編も面白いですね!更新楽しみに待っているので頑張ってください! (2023年2月12日 17時) (レス) @page25 id: fb711c9d23 (このIDを非表示/違反報告)
ベルディグリ - ユキさん» ありがとうございますっ!(人*´∀`)。*゚+ (2022年4月17日 18時) (レス) @page9 id: b6251c6422 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - うわーめっちゃ好きです!翼が出てくるのを待っています!応援しています!!!! (2022年4月13日 7時) (レス) @page8 id: 8e64252870 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ベルディグリ | 作成日時:2022年4月2日 18時