自己中すぎ ページ16
「私たち、KZのファンで、今日は応援に来てたんです。特にこの子は、」
そう言いながら、泣いている子を振り返る。
「ずっと前から上杉くんが好きで、もういつもいつも上杉くんのことばかり考えてる子だったんです。だから、あんなことされて、よけいショックだったんだと思う。」
泣いていた子は、もうたまらないといったように、隣の女子の胸に顔を押しつける。
それを見ながら黒木くんは、優しく聞いた。
「あんなことって?」
「今日の試合、苦戦だったでしょう!?結局は、勝ったけど。それで、終わったときには汗びっしょりで、すごく苦しそうに大きく息をしていたから、見てた私たちは、何かしてあげたい、少しでも楽にしてあげたいって思ってたんです。
それで、KZが目の前を通りかかったとき、この子が自分のハンカチで、上杉くんの汗を拭いてあげようとしたの。そうしたら上杉くんは、いきなり振り払って、怒鳴ったのよ。何するんだって!
そんなこと言われたら、傷つくのは当たり前でしょう!?この子は好意でやったのに。上杉くんが好きだから、何かしてあげたい気持ちでいっぱいで、それがそういう形になったんだから、ありがとうぐらい言ったって、おかしくないでしょ。それなのにあの態度って、ひどいと思う。許せない。」
はぁー?
“許せない”じゃないよっ。
知らない人に急に自分を触られそうになるとか、誰でも嫌に決まってるじゃん。
それに、どこ見てるわけ?
上杉くんが好きで?いつも考えるほどなのに?何も上杉くんのことわかってないじゃん。
そんなことしたら、上杉くんが、怒るに決まってるでしょ。
自己中すぎだよ。
まさか、自分だったらいけるかも〜とか思ってたのかな。
自分だけとか、そんなのないから。
私がそう腹を立てている間、黒木くんが、わかったというように何度か頷きながら、上杉くんを振り返った。
「言い訳のチャンスをやるぜ。」
上杉くんは、その目に鋭い光をうかび上がらせながら、口元だけで少し笑った。
「いらねーよ。」
黒木くんは、小さなため息をついて女子たちの方に向き直った。
「上杉には、俺からよく言っておくからさ。それで君たち、納得してくれない?」
女子たちは再び顔を見合わせ、ヒソヒソ話し合ってから、代表の子がはっきりと言った。
「本人から、この子に謝ってほしいの。でなかったら、納得できない。」
あのねぇ……!
女子たちに、言い返そうとして一歩踏み出すと、若武がすぐさま大声で言った。
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さまー(プロフ) - ユキさん» わかります!私も翼と忍楽しみです! (6月25日 20時) (レス) @page25 id: ad3984bf8f (このIDを非表示/違反報告)
さまー(プロフ) - 私も楽しみにしていますっ!できれば夢主のことがKZメンバーが好きになっているような場面がほしいです!これはアーヤの役目じゃ…?的な感じに!お願いできますか?? (6月25日 20時) (レス) id: ad3984bf8f (このIDを非表示/違反報告)
桜@ひなた - 続編も面白いですね!更新楽しみに待っているので頑張ってください! (2023年2月12日 17時) (レス) @page25 id: fb711c9d23 (このIDを非表示/違反報告)
ベルディグリ - ユキさん» ありがとうございますっ!(人*´∀`)。*゚+ (2022年4月17日 18時) (レス) @page9 id: b6251c6422 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - うわーめっちゃ好きです!翼が出てくるのを待っています!応援しています!!!! (2022年4月13日 7時) (レス) @page8 id: 8e64252870 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ベルディグリ | 作成日時:2022年4月2日 18時