謝ってほしい ページ15
「来たよ。」
上杉くんを見た瞬間、ささやくような声が響いて、女子たちが一斉にそっちを振り向いた。
泣いている子だけは、横を向いたまま顔を上げない。
若武たちは、3人でじゃれるように頭を小突き合ったり、その腕を振り払ったりしながら、自分たちの自転車のところまで歩いてきた。
とたん、女子たちの1人が言った。
「ちょっと上杉くん。」
声、キッツ。
3人は、はじめてその女子らに気づいたみたいで、ビクッとしたように足を止め、こっちを見た。
「謝ってほしいの。」
そう言いながらソイツは、泣いている子の方を見た。
「あなたのせいよ。泣いちゃったじゃないの。」
はぁ?
黒木くんは黙ったままチラリと上杉くんを見た。
脇で若武が、小声でささやく。
「おい、何したんだよ。」
上杉くんは表情も変えず、じっと女子を見つめ返した。
眼鏡の向こうの目は、涼しくて静か。
皆の間に、息づまるような沈黙が立ちこめ、しばらくして上杉くんがゆっくりと口を開く。
「どうして俺が、謝らなきゃならないわけ?」
女子は、カッとしたように上杉くんに向き直った。
「あなたが泣かせたんでしょう!?」
「勝手に泣いたんだろ。」
リンとしたその態度が、一瞬、まぶしいほどきれいに見えた。
でも、女子たちの間からは、次々と責める声が上がった。
「なによ、その言い方。」
「ひっどーい!」
「モテるからって、いい気になって。」
ガリッッと私はキャンディを粉砕する勢いで噛み砕いた。
アーヤも不安そうにしている。
それでも、上杉くんは毅然としてそこに立っていた。
その表情は落ち着いていて、なんの気負いもなく自然だった。
そんな上杉くんに気圧されて、女子たちも次第に黙り込み、あたりに気まずいムードが広がったとき、
「話に、入っていいかな。」
黒木くんが言って、上杉くんと女子たちの間に踏み出した。
「訳を聞かせてもらいたいんだけどさ。」
「必要ないっ!」
上杉くんに強く見据えられて黒木くんは、ちょっと笑った。
「上杉、お前は黙ってろよ。俺は、彼女たちに聞いてるんだからさ。」
上杉くんはムッとしたように目を光らせて横を向き、黒木くんは、そのまま女子たちの方に歩み寄った。
「誰か、話してくれないか。」
女子たちは、一瞬、顔を見合わせ、目と目で気持ちを確認しあっていたけど、やがて1人の女子が口を開いた。
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さまー(プロフ) - ユキさん» わかります!私も翼と忍楽しみです! (6月25日 20時) (レス) @page25 id: ad3984bf8f (このIDを非表示/違反報告)
さまー(プロフ) - 私も楽しみにしていますっ!できれば夢主のことがKZメンバーが好きになっているような場面がほしいです!これはアーヤの役目じゃ…?的な感じに!お願いできますか?? (6月25日 20時) (レス) id: ad3984bf8f (このIDを非表示/違反報告)
桜@ひなた - 続編も面白いですね!更新楽しみに待っているので頑張ってください! (2023年2月12日 17時) (レス) @page25 id: fb711c9d23 (このIDを非表示/違反報告)
ベルディグリ - ユキさん» ありがとうございますっ!(人*´∀`)。*゚+ (2022年4月17日 18時) (レス) @page9 id: b6251c6422 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - うわーめっちゃ好きです!翼が出てくるのを待っています!応援しています!!!! (2022年4月13日 7時) (レス) @page8 id: 8e64252870 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ベルディグリ | 作成日時:2022年4月2日 18時