私がやらなきゃ ページ2
原作では、アーヤが助けに来るけれど、アーヤが来てない。
つまり、このままいけば……若武は死ぬ。
もう一度あたりを見回しても、さっきと状況は変わらずにいた。
今、若武を助けられるのは私だけっ……!!
私がやらなきゃ。
私は、音をたてないように深く息を吸い、震える唇をきゅっと結んで、両手で心臓をおさえた。
男は、車庫のシャッターの脇にあるドアに、そっと手をかける。
ゆっくりとノブを回し、ドアを少しずつ開くと、中から明かりがひと筋もれてきた。
男がそっと入っていくのを見て、私は叫ぶタイミングを見計らう。
向こうむきで床に片膝をついている若武と、その頭上にバットを振り上げている男の姿を見、私は叫んだ。
「和臣くんっ!!」
私が木を思いっきり蹴るのと、若武が髪を乱して振り返るのと、それから男がバットを振り下ろすのとが、同時だった。
若武は、とっさに右足を振り上げて叩き下ろされるバットを受け止めていて、
木から飛び降りた私の身体は、重力に逆らわずに加速していき、私は、そのままの勢いで足を振り上げて、その足を男の後頭部にうずめた。
鈍い音がして、男が吹っ飛び、バットがカランと地面に落ちて転がった。
、あ……。
いけ、た……?
放心状態で男を見ると、男は意識を飛ばしていた。
私がしばらくつっ立っていると、若武は、大きな歩幅で走り寄ってきて、私の前に立った。
頬は震え、きれいなその目は緊張のあまり、底から強く光っていた。
「A……」
あえぐように言った若武に、私が顔を上げると、若武はじっと私を見ていた。
「俺……一生、お前に感謝する。」
乱れた前髪の影を映したその目は、胸にしみるほど美しかった。
「あと、サッカーにも。足強くしておいて、よかった。」
私は思わず、手を伸ばして、若武の頬に触れた。
温かい……。
「い、生きてる…。」
あいつに殺されるのかと思った。
こんなに神経をすり減らして動いたの、初めて。
「はぁ…、」
私は気が抜け、手を引っ込めて、しゃがみこんでしまった。
なんか、泣きそう。
涙が溢れてくるのが若武にバレないようにするため、私は俯く。
死んでない……よかったぁ。怖かった…。
若武は、そんな私の心情を読み取ったのか、しゃがんで、私の頭を撫でてきた。
驚いて顔を上げると、若武は少し笑いながら、私の涙をそっとぬぐって、ポツンと言った。
「お前って、結構かわいいよな。」
え?
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さまー(プロフ) - ユキさん» わかります!私も翼と忍楽しみです! (6月25日 20時) (レス) @page25 id: ad3984bf8f (このIDを非表示/違反報告)
さまー(プロフ) - 私も楽しみにしていますっ!できれば夢主のことがKZメンバーが好きになっているような場面がほしいです!これはアーヤの役目じゃ…?的な感じに!お願いできますか?? (6月25日 20時) (レス) id: ad3984bf8f (このIDを非表示/違反報告)
桜@ひなた - 続編も面白いですね!更新楽しみに待っているので頑張ってください! (2023年2月12日 17時) (レス) @page25 id: fb711c9d23 (このIDを非表示/違反報告)
ベルディグリ - ユキさん» ありがとうございますっ!(人*´∀`)。*゚+ (2022年4月17日 18時) (レス) @page9 id: b6251c6422 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - うわーめっちゃ好きです!翼が出てくるのを待っています!応援しています!!!! (2022年4月13日 7時) (レス) @page8 id: 8e64252870 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ベルディグリ | 作成日時:2022年4月2日 18時