検索窓
今日:20 hit、昨日:0 hit、合計:69,414 hit

6 ページ7

『あ、....そういえば五条先輩』


「ん?」


『私が高専に居たの、宿儺の指を回収したからなんです。』



玄関近くに置いた鞄を取りに戻って、宿儺の指の入った箱を取り出す。


あんまり呪力は感じられない。息を潜めてたのかな?



『五条先輩、先生やってるんですよね。』


「うん。あ、これは僕が預かる。ありがと」


ありがとうって言われた...


『あんまり、似合いませんね』


ふと、油断して出た言葉。


『あ、いや、えっと、その...』


「自分でも思うわ、教師なんて柄じゃない。」


照れたように首元を触って、先輩は優しく微笑んだ。


こんな、顔...初めて見たかも。


「夢があんだよね。

Aも知ってるでしょ?上の連中の馬鹿さ加減。

僕はそんな呪術界を、リセットしたいんだ。

上の連中皆殺しにすんのは簡単だけど、それじゃあ誰も着いてこない。だから教育を選んだ。」


私が何も反応を示さないから気まづくなったのか、ソファの背にもたれて目を逸らされた。


こんな風に、夢を語る人だと思わなかった。


私は昔の五条先輩しか知らない。


でもその昔の五条先輩ですら、深くは理解出来てない。


『羨ましいです。』



「え?」



『五条先輩らしいですね。夢を持てるって羨ましいです。

私は、夢も希望も見いだせない、なんの取り柄もない人間なので』


普通に稼いで、普通に結婚して、普通に子供を産んで、普通に死ねればそれが1番良い。


私がこの人を嫌いなのは、いじめられてたからだけじゃない。


どこか、羨ましいところがあるからだ。


この人が全てに恵まれてるなんて思わないし、努力もしてきた人だと思う。


けど、努力が出来るのも才能だ。


私がどれだけこの人を嫌おうと、人間にとってこの人は必要不可欠な存在なんだ。


だからこそ、嫌い。



「あー、映画見ない?それか風呂先に入る?
服なら貸すし、下着は1階のコンビニで買えばいいよ。」



苦笑して選択を促してくる先輩に、『お風呂』と答えた。

7→←5



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (102 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
472人がお気に入り
設定タグ:呪術廻戦 , 五条悟
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

しらす - 面白いです!応援しています♪ (2021年3月3日 4時) (レス) id: 0909f67dda (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:菜の花 | 作成日時:2021年2月8日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。