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「五条さんがあなたに異常なまでの好意を抱いているのも、その逆も、高専時代からずっとそうじゃないですか。というかまだやってたのか....」




はぁ、とため息をつきながら額を抑える同期に対して、今私はものすごく間抜けな顔をしてるだろう。




「展開が遅い」



『いや、え?展開って...』



「まぁ、あの人のせいで今こうややこしくなってるんでしょうから、あなたが混乱するのも無理ありません。


纏めるとつまり、
五条さんは10年以上一途にあなたが好き。
あなたは10年前に好きになったが、あの人の態度にトラウマを作り、現在嫌いになろうとしている。」




『う、...うん。そういうことになるのかな。ていうかなんでそれを七海が知ってるの?』



「見てればわかりますよ。あなたが五条さんの好意に気付いたのも、誰かに言われたのでは?」



『こわっ、どこまで分かるの!?』



「何方もわかりやすいですからね。」



高専に居た時、自分が悟さんに好意を抱いていると打ち明けた人は誰もいない。


つまり、周りからも気付かれるくらい私は分かりやすかったのだ。



悟さんについては、私が気づかなかっただけ...?



「いくら不器用といえ、五条さんのアレは行き過ぎたところがありましたからね。
嫌いになってもいいと思いますよ。
尤も、そこまで悩むということは嫌いになれない理由
があるんでしょうけど。」



『やだもう話すことないじゃん...』



あんな深刻に全てを話したのが馬鹿らしく思えて、顔が熱くなった。



「というか、何故そこまであの人に固執するんですか?」



『え?』



「単純な疑問ですよ。
あの絵に描いたような軽薄さも丸々含めて好きだという人間は、珍しいですからね。」




『軽薄かなぁ?』



「はぁ"ぁ...その目は他人の負の部分が目に入らない構造なのか?」



『え"っ、そんなため息つかなくても...。

それに、悟さんは人より見えづらいだけでちゃんと努力家だと思うよ』



私としては至極真面目だったのだが、七海はあからさまに顔を歪めた。



「才能でしょう」



『まぁ、それもあるとは思うけどさ...』



違うよ、と言いたかったが記憶の中の悟さんを思い返して言葉を引っ込めた。



多分、悟さんの望む他人からの解釈は七海の方が合ってるんだろう。



努力家や、秀才と言った言葉を印象として用いられるのは嫌いそうだ。



『けど...他人を助けるって難しい事だよ。』

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しらす - 面白いです!応援しています♪ (2021年3月3日 4時) (レス) id: 0909f67dda (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:菜の花 | 作成日時:2021年2月8日 19時

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